内容
生殖医療の専門家と妊娠・出産ジャーナリストによる不妊治療現状や課題、最新の治療の進め方を科学的に解説しています。
日本の研究結果だけでなく、世界のデータやガイドライも引用しながら科学的根拠に基づく妊娠への近道を説明しています。
目次
はじめに
子どもは自然に授かるのが当たり前ー多くの人はそういう感覚を持っていることでしょう。
しかし、自然に子どもが授かったら、それはとてもありがたいことなのです。
今日では、晩婚・晩産化が進み、それにともなって不妊治療はとても重要でかつ身近な医療になってきました。
そこでこの本は、少し妊娠しにくいと感じ始めたカップルのために、不妊治療という医療がわかるための必須ポイントをご説明していこうと思います。
妊娠しにくい人にいちばん知ってほしい知識とは何でしょうか。
それは、命の始まりついての正しい理解であり、妊娠がうまくいかないときに利用できる最新の「科学的根拠に基づいた医療」にはどんなものがあるか、ということだと思います。
この本は、こうした知識に加えて、これまで一般の方にはほとんど届くことのなかった医師の専門的知識も含めて、わかりやすく平易な言葉で伝えられるように作りました。
ただ、ひとつお断りしておきたいことがあります。それは、不妊治療はとても変化の早い最先端分野であり、まだ「これが正しい唯一の方法だ」と言えるものがありません。
実際に治療を受ける際は、この本で得た基本知識をもとに、実際にかかる医師の話をよく聞いてください。
この本では、浅田自身が現場で実践しており、最新の研究から国際的に主流となってきている治療法について解説していきます。 不妊治療は、親子の始まりの新しい形です。
この本が、不妊に悩むカップル、そして親子のさまざまな始まりについて、もしくは人が命を継いでいく仕組みについて関心を持つすべての方に、不妊の最新事情をお届けできるものとなりますように。
本について
| 項目 | 詳細 |
| 単行本 | 256ページ |
| 監修 | 浅田義正 河合蘭 |
| 出版社 | 講談社 |
| 言語 | 日本語 |
| ISBN-10 | 4062579766 |
| ISBN-13 | 9784062579766 |
| 発売日 | 2016/7/20 |
| 梱包サイズ | 11.4x 17.4×1.1 x cm |
あとがき
生殖医療という命をつなぐ仕事に関わる中で、さまざまなことを考えさせられますが、不妊に悩む方がいる以上、患者さんの限られた時間とお金を無駄にすることのないよう、一人でも多くの人に子どもを持つという願いを叶えてもらえるよう、努めています。
情報が氾濫する今、謝った情報に惑わされずに、その方に合った治療法を見つけるための知識が提供できたら、という思いが本書を作る動機となりました。
生殖医療はビジネスではなく科学であるべきです。私自身は医療者でありますが、科学者として、科学的根拠のある治療を探究し続けたいと常に思っています。
生殖医療が真に患者のためであり、我が国の生殖医療が世界一のレベルで発展し、熱意と品格のある医療者が育っていくことを心から願っています。
助産師からのメッセージ
妊活や不妊治療をしていると、命の神秘や人間の体の仕組みなどを改めて考える時間はあまりありませんが、いのちを繋いでいくということは、科学的に見ると本当に尊いことなのだと考えさせられます。
特に女性の体はホルモンに支配されていると言っても過言ではないくらい、さまざまなホルモンが妊娠出産に関わっています。
そのため体調によって治療法や使用する薬も異なります。著者のお2人は、それぞれの現場で長年たくさんの女性と接しており、日本の不妊治療の状況や社会のバックアップの状況に世界との「差」も感じます。
不妊治療のステップに正解はありませんが、産みたいときに産めるには正しい知識と、自分の年齢や体の様子を年齢をしっかり把握している必要があります。
不妊治療も技術は上がり最短を目指すだけでなくできるだけ心と体に優しい治療も増えてきています。不妊クリニックを選ぶ際も、自分とパートナーの状況に合った治療を主体的に受けるためにはやはり知識をつけることは重要だと思います。
日本だけでなく、世界の不妊治療のガイドラインや妊娠出産に関するデータも多く出していたり、話題の卵子凍結や卵子提供という、日本では普及していないことも言及しているので、広い知見も持てるのではないでしょうか。
これから不妊治療を受けるか悩んでいる方も、これからどんなことをするのかあらかじめ知っておくことはとても大切です。
出産、不妊治療については、自ら学ばないと誰も教えてくれません。また、不妊治療に関する用語は難しく感じてしまうからこそ、「勘違い」や「思い込み」をして行動をためらってしまう危険があります。
後悔のない妊活、不妊治療ができるようぜひ正しく根拠のある情報を取り入れてください。
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