【専門家が解説】卵子の不思議

卵子 は、私たちの身体の中で非常に特別な存在です。胚 や細胞の生成の原点となるこの細胞は、私たちが考えている以上に複雑です。不妊治療を考えている方や、既に治療中の方、子供を望むもなかなか授からないと悩む方々にとって、この 卵子 に関する知識は非常に重要です。現代の携帯を使った生活スタイルが卵子に与える影響や、胞 との関連性など、卵子に関する深い知識を解説していきます。

卵子とは?

卵子は、女性の生殖細胞としての役割を果たします。その主な役割は受精というプロセスを通じて、新しい生命を創出することです。卵子は月経周期の中で成熟し、排卵時に 卵巣 から放出されます。この卵子が男性の 精子 と出会うことで 受精 が行われ、新しい生命の第一歩が始まります。
卵子 の健康や質は、妊娠の成否や 胚 の健康に直結していますので、非常に重要な存在といえるでしょう。卵子は女性の体内で最も特別な細胞の一つと言えます。これは、我々の生命のサイクルにおいて、新しい命の誕生を司る中心的役割を担っているからです。女性の体内には卵巣という器官があり、そこには出生時点で約100万個の卵子が格納されていますが、この中から、一生の間に約400~500個の卵子が成熟し、排卵されることとなります。

月経周期は、卵子の成熟と 排卵 を目的とした女性の体のリズムです。卵子は周期の初めに卵胞と呼ばれる構造物の中で成熟を開始します。そして、約14日目になると、成熟した 卵子 は 卵胞 から放出される。これを「 排卵 」といいます。排卵された卵子は、細い管状の器官である卵管を通り、子宮へと移動する間に、卵子は約24時間の間に 精子 と出会い、受精 が成功すると、卵子は次のステージへと進むことになります。その卵子から新しい命、すなわち胚が形成されるのです。卵子の質は非常に重要です。なぜなら、その質が妊娠の成否、胚の発育や健康に直接的な影響を与えるからです。年齢と共に卵子の質は徐々に低下していくと言われていますが、それは女性の妊娠能力や出産のリスクにも関わる大切な要因となります。卵子は新しい命の始まりを担う、女性の体において非常に特別な存在です。その役割と重要性を理解することは、生命のサイクルや妊娠に関する知識を深めるために必要不可欠です。

引用)日本産婦人科医会 1.妊娠適齢年令

卵子の数 

女性は生まれた時に、生涯の「卵子の総数」を持ち、この数は年齢とともに徐々に減少していきます。

減っていく

女性が生まれたときに持っている卵子の数は驚くべきものです。新生児の段階での卵子の数は約100万〜200万とも言われています。この数字を聞くと、一生涯で使い切れないほどの卵子があると感じるかもしれません。しかし実際のところは、思春期を迎える頃には、この卵子の大部分は自然に消失しています。実際、思春期の初めには約30万〜40万の卵子しか残っていないとされています。そして、毎月の月経周期に伴い、複数の卵子が成熟を目指して成長を始めますが、大半は途中で発育を停止し、消失してしまうのです。結果的に、月に1つ、時には2つの卵子が排卵されるのみです。20代、30代と年齢を重ねるごとに、この減少のスピードはさらに加速します。

老化する

卵子の老化は女性の生殖能力に密接に影響を及ぼす現象です。このプロセスは女性の年齢とともに進展し、その背後には多様な要因が存在します。新生児時の卵子は、細胞分裂の過程をまだ完了していない静止状態にあります。思春期が始まると、月経周期が開始され、それに伴い一部の卵子が成熟の道を進むようになります。しかしその多くは、途中で発育を停止し、数は徐々に減少し特に30代に入ると、卵子の質と量、両方が目立って低下していくでしょう。

卵子の老化の背後には、遺伝や生活習慣、さらに環境的要因も関わってくると言われています。喫煙やアルコールの過度な摂取、持続的なストレス、不均衡な食事などは、卵子の健康を損ねるリスクがあると指摘されることが多いです。卵子の老化は数量の問題だけでなく、質にも関わってくる現象です。女性が年齢を重ねるにつれて、この変化を意識し、妊娠や出産のタイミングを適切に選ぶことは、家族計画のために非常に重要となるでしょう。

【専門家が解説】卵子の不思議

卵子と卵胞

卵子は女性の 生殖細胞 で、新しい生命を創り出す役割を持ちます。この卵子の成熟や発展は、卵胞の中で行われます。卵胞は、卵子を取り囲んで保護し、成熟する過程で必要な栄養やホルモンを提供する役割を果たす構造です。

原子卵胞

原始卵胞 は、女性が生まれたときから卵巣に存在する、最も初期のステージの卵胞です。これは、未成熟な卵子を中心に薄い層の細胞に囲まれている状態を指します。生後、女性の体はこれ以上新しい原始卵胞を作り出すことはありません。月経周期が始まると、これらの原始卵胞からいくつかが成熟の過程を始め、その中の一つだけが最終的に 成熟卵子 として排卵される可能性があります。

卵子は量より質

女性の生殖において、卵子の数量は確かに重要ですが、卵子の質の方がさらにキーとなる要因であると言えます。この「質」というのは、具体的には何を指すのでしょうか。

  • ・胚の健康への影響:卵子の質は、胚の健全な発展の可能性を示唆する重要な指標となります。良質な卵子から形成される胚は、着床の成功率が高くなるだけでなく、その後の妊娠も安定し、健康な赤ちゃんの誕生につながる確率が高くなります。
  • ・年齢と卵子の質:年齢を重ねると女性の卵子は、染色体の異常が生じやすくなると広く知られています。これは、特に35歳以上の女性に顕著で、卵子の老化により染色体の異常が増加し、流産胎児染色体異常 のリスクが高まることが研究で明らかにされ、染色体の問題は、妊娠や出産に関連する様々なリスクを増大させる原因となります。
  • ・卵子の質に関わるその他の要因:卵子の質に影響を及ぼすのは年齢だけではありません。日常の生活習慣、特に食事の質やストレスの管理、適度な運動の有無なども大きく影響します。例えば、喫煙やアルコールの過度な摂取は卵子の質を低下させると指摘されており、バランスの取れた食事や適切な休息、ストレスを軽減するためのリラクゼーションが卵子の質を保つためには必要です。
【専門家が解説】卵子の不思議

良い卵子を育てるためにしてはいけないこと

女性の体の中で卵子が健やかに成熟するためには、健康的な生活習慣が欠かせません。逆に、一部の行動や生活習慣は、卵子の質を低下させる要因となり得ます。

  • ・喫煙・飲酒:喫煙は、卵子の質を低下させるリスクも高まります。飲酒も過度になると、卵子の質に悪影響を及ぼすことが知られているため、控えめにしましょう。
  • ・睡眠不足:適切な睡眠は、身体のリカバリーやホルモンバランスの維持に不可欠です。睡眠不足は、ホルモンの分泌に悪影響を及ぼし、それが卵子の成熟や質にも関わってきます。
  • ・ストレス:長期的なストレスは、身体のホルモンバランスを崩し、卵子の健康に影響を及ぼすことがあります。心の健康は、体の健康と直結しているため、リラックスする時間を意識的に持つことが大切です。
  • ・偏った食事:バランスの良い食事は、体全体の健康を保つ基盤となります。特に、ビタミンやミネラルなど、卵子の健康に必要な栄養素を摂取することは欠かせません。偏った食事は、これらの栄養素が不足する原因となり、卵子の質に影響を及ぼす可能性があります。
【専門家が解説】卵子の不思議

卵子凍結とは?

卵子凍結 は、女性の卵子を採取し、液体窒素による低温で保存する医療技術です。将来的に 妊娠 を希望する際に使用されることを目的としています。

目的:卵子の質は年齢とともに低下します。卵子凍結は、若い頃の良質な卵子を保存し、将来的に妊娠の可能性を高めることを目的としています。また、医療的な理由やキャリア形成など、子供を持つタイミングを遅らせたい女性にも選択肢として提供されます。

メリット・デメリット

メリット
・若い頃の卵子の質を維持できる。
・将来的な不妊リスクの緩和。
・キャリアやライフプランに合わせて子作りのタイミングを選べる。

デメリット
・凍結・解凍の過程で卵子が損傷するリスクがある。
・凍結した卵子を使用しても、必ずしも妊娠が成功するわけではない。
・費用がかかる。

費用:卵子凍結の費用は施設により異なりますが、一般的には数百万円の範囲が考えられます。採取手術、保存費用、後の体外受精などの治療費を考慮すると、全体の費用はさらに増加する可能性があります。各施設の料金体系やサービス内容を確認し、予算や計画に合わせて選択することが大切です。

専門家より

卵子は、女性の身体の中でとても不思議で神秘的な存在です。私たちの命の始まりとも言えるこの小さな細胞は、生涯にわたって女性の体と共に変化していきます。年齢とともに数や質が変わる卵子の特性を理解することは、将来の妊娠や出産に向けた計画において極めて重要です。近年の医療技術の進化により、卵子凍結といった選択肢も増え、女性が自らのライフスタイルやキャリアに合わせて、子作りのタイミングを選ぶことが可能となってきました。妊娠や出産に関する決断は一人一人異なります。信頼できる医療機関や専門家と連携し、自身の健康と未来を守り、より良い選択をしてください。

この記事を書いた人

東岡 えりこ

理学療法士
医療ライター