内容
胎内記憶の第一人者である著者が、男女の体や妊娠の仕組みから優しく解説し、科学的な根拠を用いた産み分けを説明している。海外の産み分け方法も掲載。
また、子どもたちへの胎内記憶のインタビューを要所に掲載し、産み分けや妊娠までの過程を赤ちゃんの視点で伝えている。
産み分けの方法だけでなく科学と胎内記憶の2つの視点から、 いのちを授かることの尊さや素晴らしさを述べており、幸せな子育てのための育児本としても読みたい1冊。
Q&Aも多く、疑問も解決できる。
目次
1章 | 「産み分け」のキホン |
妊娠のプロセスを理解しよう 性別が決まるしくみ 性を決めるホルモンのシャワー 産み分けにトライする前に 産み分けの決め手は精子 「産み分け」の基本1-膣のpHを調整する 「産み分け」の基本2-精子数や比率を調整する | |
2章 | 「産み分け」にトライしてみよう |
まずは排卵日を知ろう 排卵日を知るためのさまざまな方法 女の子がほしいとき 男の子がほしいとき クリニックで産み分けする場合 | |
3章 | 産み分けの基礎知識 産み分けの安全性 産み分けと家族 産み分けと心のこと その他 |
4章 | 男の子で生まれる?女の子で生まれる? |
雲の上でママを見ていたときのこと 生まれる前に性別を教える子もいる 生まれる前にお母さんに会いにくる子 性別はなぜあるのか 多様性を生きる わが子はあなたにとって最高の子ども あなたはわが子にとって最高のお母さん |
はじめに
男の子でも女の子でも、赤ちゃんはかわいいものです。 それでも、希望する性の赤ちゃんを授かる方法があるなら、試してみたいという声もあります。
「男の子がほしいな」「女の子だといいな」と、生まれてくる子に夢を描くことは、人として自然な思いです。 少子化といわれて久しく、ひとりの女性が生涯にもつ子どもの数は、1人か2人というケースが増えてきました。
こんどの妊娠が最後になるかもしれないー。 そういう事情もあって、もし男の子か女の子か、好きなように産み分けできるなら、ハウツーを知りたいというかたもいるでしょう。
これまでは、産み分けというと、「跡取りのために、男の子がほしい」というご夫婦が多かったのですが、最近では、女の子を希望する方も増えてきました。
女の子は男の子と比べて育てやすく、おとなになっても何かと頼りになる、と考えられるようです。
跡継ぎという切実な問題が減ったかわりに「男の子のほうがやんちゃでかわいい」「女の子におしゃれをさせたい」という軽い感覚で、産み分けにトライするご夫婦も増えているようです。
昔から産み分けは世界各地でおこなわれてきました。おまじないのようなものもあれば、それなりに根拠がある方法も見られます。
近年では、生殖医療の知見が深まるにつれて、科学的にも有効と思われる産み分け法が確立されてきました。
この本では、それらハウツーのいくつかをご紹介しましょう。
もっとも、お断りしなくてはならないのは、産み分けには、いまのところ100パーセント確実な方法はない、ということです。 いのちを授かることじたい、そもそも人知の及ばない、神秘的な領域です。
そして、人はすべてをコントロールすることはできず、いつも神秘の世界と隣りあわせに生きていることを、わたしたちはいつも、心にとめておきたいと思います。
いのちを授かることには大きな責任がともない、子育ては予想外の出来事の連続です。希望どおりの性の子が生まれたら、それはとてもうれしいことです。
ただし、性別は、子どものたくさんの属性のひとつでしかありません。 その後の子育ての日々では、想像しなかったことが次々と起きて、「こんなはずじゃなかった」と思うこともあるでしょう。
希望する性の赤ちゃんを得て、かわいがりたいという気持ちが、子どもをペットのように考えていないか、産み分けにトライする前に、ちょっぴり振り返ってみてもいいかもしれません。
私は産科医として、たくさんの妊娠やお産にかかわってきました。また、子どもたちへの聞き取り調査から、胎内記憶(お母さんのおなかにいたときの記憶)のふしぎな世界をかいま見てきました。 そんな中で、私は考えるようになりました。
ー母と子には、たましいのつながりがある。そして、子どもは「つくる」ものではなく「授かる」ものなのだ、と。
ですから、この本では、産み分けのハウツーそのものというより、幸せな子育てをサポートすることを、根底のテーマにしたいと思います。
そのために、この本では、子どもたちが語る「生まれる前の記憶」や、それらのストーリーから見えてくる世界観についても、ご紹介しましょう。
「産み分け」というテーマをきっかけに、赤ちゃんを授かるとはどういうことか、深く考える機会になるといいな、と願います。
また、あなたご自身が、性別を含め、あなた自身として生まれてきたことの意味を感じるきっかけになれば、とてもうれしく思います。
そしてもし、あなたが赤ちゃんを望むなら、いつの日かとびきりの笑顔で、わが子を胸に抱っこできますように。
本について
項目 | 詳細 |
単行本 | 203ページ |
監修 | 池川明 |
出版社 | フォレスト出版株式会社 |
言語 | 日本語 |
ISBN-10 | 4894516618 |
ISBN-13 | 978-4894516618 |
発売日 | 2015/4/21 |
梱包サイズ | 19×13×1.5cm |
助産師からのメッセージ
「産み分けの本」というと専門用語が多く難しいと感じる方もいらっしゃると思います。 こちらは全体的にひらがなを多く用いて柔らかい印象があり、とても読みやすいです。
初めの章では男女の体や妊娠の仕組みから具体的な産み分け方法を解説していますが、 ただハウツーを解説するだけではなく「希望の性別を授かったとしても、子育てがうまくいくとは限らない」「人間にはコントロールできないこともある」 など著者のメッセージが込められています。
現場にいると、性別を気にする妊婦さんはとても多いです。ただ、性別がどちらであっても赤ちゃんを授かることは奇跡です。 そして、妊娠中や育児は心と体が思い通りにならないことも多々あり「こんなはずじゃなかった」と落ち込む方も少なくありません。
この本はこれからママになる方への励ましとエールも 込められています。 また、子どもたちへの胎内記憶のインタビューから、赤ちゃんの視点で赤ちゃんを授かる意味を伝えています。スピリチュアルな部分でもありますが、この本を通して胎内記憶について少し知ることができますし人間の神秘やいのちの尊さを感じます。
産み分けをトライしていても望む性別ではなかった場合、なかなか妊娠にいたらない場合の考え方も諭してくれています。
この本を読んだ後は「赤ちゃんを授かること」が楽しみでワクワクする気持ちになり、妊活のマインドセットにもおすすめな本です。