卒業生について
クリニック名:荘病院
※以下のインタビューは、あくまでの卒業生の感想であり、登場する個人・法人に関する感想として、1つの参考情報として頂けましたら幸いです。
まず、不妊治療について、本当にすべきか、どの程度すべきか、夫婦でよく話し合われるべきと思います。
子供がいる人生が絶対ではありません。自分たちが何を優先し、どのような人生計画を立てるのか定め、その上で、不妊治療の選択をするならば、それにどの程度投資するのか、いつまで、どう取り組んでいくのか、しっかりと決めてください。
当たり前のことですが、産んで終わりではなく、産んでからも、お金や時間など、自分たちの多くを費やす必要があります。
子供が欲しいから、自然妊娠できないから不妊治療をする、のではなく、不妊治療はひとつの選択肢、手段でしかないと思ってください。
且つ、補助があるとはいえ、お金のかかることなので、慎重に建設的に取り組まれるべきと考えます。お金に余裕のある方は良いかもしれませんが、あらゆることに手をつけしまったり、だらだら続けてしまうと、際限なくお金が無くなりますので、お気をつけください。
インタビュー概要
質問:不妊治療を始められたきっかけを教えてください。
治療をしようと思われたきっかけを教えてください。
言い方は悪いかもしれませんが
①子供1人くらいは、いたほうがいいと思ったから
②親孝行になるから、の2点です。
どうしても子供が欲しい、といった願望はありませんでした。
夫も私も、どちらかといえば仕事や趣味など、自分のことを優先させたい性格のため、お互い子育てには向いていないと思っています。
ですが、大体の夫婦が子供いますし、1人くらいいたほうがいいのでは、また、親の為にもと思い、妊活しました。
私は学生時代から多嚢胞性卵巣と診断され、婦人科に通院するなどしており、すぐに妊娠できる体ではないことがわかっていたため、先々、子供をつくりたいと思ってもつくれないかもしれないから、早めに取り組んでおこう、とも思っていました。
質問:治療の流れを教えてください。
治療の流れについて教えて下さい。
まず、排卵誘発 を行いました。基礎体温表 をつけながら、クロミッド を服用しました。
排卵期に、排卵しているかどうか、婦人科にて確認しました。
3か月以上続けましたが、なかなか排卵しなかったので、クロミッド の服用と並行して、hcg注射(お尻上部に注射)を受けるようになりました。
はじめは数日おきに注射を打っていましたが、排卵が進まなかったこともあり、途中から毎朝婦人科で注射を打ってから出勤していました。
1か月程続けたところ、排卵の兆候が出たため、タイミングをとりました。
夫はこの間に、精子の検査をし、精子量や動きなどに問題は無いと診断されています。
タイミングの1回目では、妊娠しませんでした。引き続き、同じ治療を続けました。
2か月後くらいに、また排卵の兆候が出たため、タイミング をとることと、医師の提案で、人工授精 を行いました。
人工授精 は、朝、夫に精子を取ってもらい(病院からもらった容器に)、すぐに婦人科に持っていき、そのまま施術してもらいました。
hcg注射 を毎朝打ちに行くことや精神的な負担が辛かったですし、夫にも負担をかけていたので、これで妊娠しなければ、妊活をやめようと考えていましたが、幸運にも妊娠しました。
質問:クリニックを選ばれたポイントを3つ教えてください。
クリニックを選ばれたポイント3つとその理由を教えてください。
①自宅から近いこと
②基本的に保険適用であること
③クチコミが良いこと
の順です。
①婦人科はどこも混んでいるので、通いやすいことが最優先でした。
たまたま、自宅から徒歩3分程の婦人科が、不妊治療から出産までできたので、とても恵まれていたと思います。
また、お金をかけすぎることを防ぐため、基本的にすべて保険適用になる病院を選びました。
最後に、あまり評判が悪いところは嫌だったので、一応ネットでクチコミも調べました。
質問:不妊治療以外で取り組んだことはなんですか?
不妊治療以外で取り組んだことはありますか?
漢方外来とよもぎ蒸し をしました。
数回程度、不妊鍼灸 などもしました。
もともと冷え性なので、妊娠しやすい体をつくるためにしました。
質問:大変だったことはどんなことでしたか?(検査・治療・お金・メンタル・仕事・・・)
検査・治療・お金・メンタル・仕事などで大変だったことはどんなことでしたか?
精神的負担、経済的負担が大変だったと思います。
精神的な負担については、妊娠できるかもわからないのに、他のことを犠牲にして取り組んでいることが辛かったです。
『これで妊娠できなかったら、今自分のしていることが全部意味のないことになってしまう、いつまで続ければいいのか』といった、先の見えない不安やイライラなどに常に苛まれていました。夫にもだいぶ当たってしまっていました。
どう乗り越えたかについては、途中から、妊娠できなくてもいいや、と思うようにしました。
夫の仕事の関係で広島に行かなければならなかったのですが、その時までに妊娠できなければ、もう辞めようと思ってから、楽になりました。
経済的負担については、婦人科での治療に加えて、妊娠しやすい体づくりに対する費用もあり、お金がかかることが大変でした。
妊活に良いとされていることやモノを様々に試しましたが、お金は有限なので、漢方外来とよもぎ蒸し(子宮を温めるもの)に絞ったことにより、だいぶ負担が減りました。
漢方ははじめは普通の店舗で購入していましたが、漢方外来のある病院を調べて、切り替えたことにより、漢方代が保険適用となり、費用削減できました。
よもぎ蒸しは、安いお店を探し、回数券を購入するなどして、リーズナブルに通うことができていました。
質問:お金について教えてください。
お金について教えてください。
漢方に10万円程、よもぎ蒸しに2万円程です。
質問:治療を続ける秘訣を教えてください。
治療を続ける秘訣を教えてください。
人によると思いますが、私の場合は、
①妊娠できなくてもいいというマインドをもつ
②妊活のゴールを決める
ことだったと思います。
①は、”子供が欲しい”という思いがあるから、不妊治療をされている方が多いと思うので、難しいこととは思いますが、そもそも子供は授かりもので、自分がコントロールできるものではありません。
治療を続けていると、私もそうでしたが、どうしても子供のいる人生を思い描き、また、妊娠に執着してしまうと思います。すると、妊娠できない自分を責めてしまい、辛くなります。
子供のいない人生も同時に考えておくことで、妊娠できなくてもいいんだ、というマインドを持つことができ、楽になりました。
②は、治療をしていると、”妊娠”がゴールになってしまいがちですが、①で述べたとおり、妊娠はコントロールできるものではないので、ゴールにはなりません。
夫婦でよく話合い、自分達は妊活にどれ程の時間とお金をかけるのか、といったことを基に、ゴールを決めておくと、妊活もスムーズにできます。だらだら続けてしまうと、負担にしかならないと思います。
質問:ご夫婦で話し合ったことはどんなことでしたか?
ご夫婦で話し合ったことはどんなことでしたか?
そんなに話し合ったことはないですが、私が辛くなってきてからは、大体どれくらいまでやるかということは話しました。
質問:夫婦のコミュニケーションで意識していたことはなんですか?
質問:夫婦のコミュニケーションで意識していたことはなんですか?
なるべく当たらないようにする(当たってましたが(笑))
刺激しない、白黒つける。
質問:お互いのサポートで嬉しかったことはなんですか?
奥さま、ご主人様それぞれのサポートで嬉しかったことはなんですか?
私がしたいようにすればいい、という夫のスタンスが有難かったです。
もともと、お互いのことをあまり干渉し合わない仲なので、妊活についても、私が主体で取り組んでいました。
私が辛くなってきた時に、なぜ子供がほしいのか、子供がいなくてもできること、など話し合ってくれたので、妊娠に執着しすぎないようにしてくれました。
子供が絶対欲しい、という相手だったら辛かったと思います。
あとは、休日は一緒に出掛けたりなど、一緒にリフレッシュできることも良かったです。
洗濯です。 自分一人だと乾燥機を使ってしまうため、型崩れしたり縮んだりしていました。
妻が洗濯してくれるようになってからは、服の素材に応じて乾燥機と物干しを分けられるようになったため、そういった悩みは無くなりました。
また取込作業も非常に助かりました。
日々の忙しさの中で、どうしても取込作業は後回しになっていました。
結果、部屋に服が散乱しストレスの原因でした。妻が取込作業までしてくれるようになり、服をたたんでしまうだけになったことでそのストレスからも解放されました。
質問:ご夫婦で取り組んだことを教えてくだい。
ご夫婦で取り組まれたことはなんですか?
夫婦で何かした、ということはなかったと思います。先が見えないことなので、私が途中でしんどくなってしまって、辛くなるんだったら、お金もかかるし、期限を決めて辞めよう、と話していました。
質問:治療中のストレス解消方法について教えてください。
どんなことでストレスを解消していましたか?
運動、買い物です。
質問:お仕事との両立について教えてください。
仕事との両立はいかがでしたか?
通勤前にhcg注射を打っていたため、出社時間を遅らせてもらったりなどしていました。
勤務先の支援体制はいかがでしたでしょうか?
不妊治療をしていることを伝えて、配慮してもらっていました。
質問:不妊の治療をされている方や検討されている方へのアドバイスをお願いします。
不妊の治療をされている方や検討されている方へのアドバイスをお願いします。
まず、不妊治療について、本当にすべきか、どの程度すべきか、夫婦でよく話し合われるべきと思います。
子供がいる人生が絶対ではありません。自分たちが何を優先し、どのような人生計画を立てるのか定め、その上で、不妊治療の選択をするならば、それにどの程度投資するのか、いつまで、どう取り組んでいくのか、しっかりと決めてください。
当たり前のことですが、産んで終わりではなく、産んでからも、お金や時間など、自分たちの多くを費やす必要があります。
子供が欲しいから、自然妊娠できないから不妊治療をする、のではなく、不妊治療はひとつの選択肢、手段でしかないと思ってください。
且つ、補助があるとはいえ、お金のかかることなので、慎重に建設的に取り組まれるべきと考えます。
お金に余裕のある方は良いかもしれませんが、あらゆることに手をつけしまったり、だらだら続けてしまうと、際限なくお金が無くなりますので、お気をつけください。
不妊治療を行う奥さんは精神的にも身体的にも辛い思いをしています。
お互い初めてで不安なこともあるでしょう。 そんな時は往々にして正常な判断ができなかったり、通常とは異なる価値基準で物事を進めてしまい、納得のいかない結果になることが多々あります。
いつまでに子供が欲しいのか。 どうしても絶対に欲しいのか。 いくらまでならかけられるか。
仮にダメだったとした場合、他に何を目指すか。(例えば犬を飼う、旅行に行く等)
このような価値観や判断基準を夫婦間で揃えておくことが、短期的にも中長期的にもとても大切だと思います。