松田えり子さん(40歳)& 洋行さん(41歳)NO.22

卒業生について

女性プロフィール
仮名:松田えり子
性別:女性
年齢:40歳
職業:専業主婦(現在)、英会話講師(治療時)
趣味:宝塚歌劇鑑賞
妊活・不妊治療
1人目の治療
治療開始年齢:36歳開始
治療期間:一年半
タイミング法:◯
人工受精:2回
     

男性プロフィール
仮名:松田洋行
性別:男性
年齢:41歳
職業:会社員
趣味:宝塚歌劇鑑賞
妊活費用
検査に2-3万円、診察に月6000円×1年
人工授精:11000円×2回

    
クリニック名: 小原ウィメンズクリニック
※以下のインタビューは、あくまでの卒業生の感想であり、登場する個人・法人に関する感想として、1つの参考情報として頂けましたら幸いです。
妊活・不妊治療中の方へ 応援メッセージ

洋行さん:不妊治療はどうしても女性に負担が多くなってしまいますが、原因が男性のこともあります。
どうか自分に関係のないことだとは思わずに、親身になって奥さんとしっかり話し合ってください。

奥さんのことを一番わかっているのは旦那さんだと思うので、子供が欲しいという奥さんに対して、奥さんがやって欲しいことをやってあげるのが一番じゃないかなと思います。

自分が子供を欲しくても、奥さんのプレッシャーにならないよう言動には気をつけて(女性の観察力はすごいですから)しっかりサポートしてあげてください。

不妊治療をしても子供を授からない場合は「きっぱりやめる」という選択肢もあります。

実際うちの場合は、不妊治療をやめたら子供を授かりました。
それでも不妊治療は無駄じゃなかったと思います。迷っているならとりあえず不妊治療をされてみてはいかがでしょうか。

えり子さん:「不妊治療」というとすごく大変なイメージがありますが、私たち夫婦はたくさんコミュニケーションをとりながら、二人の生活の一部として不妊治療をしていました。

特に人工授精した後などは主人が美味しいランチに連れて行ってくれたりしたので、すごくしんどかったというよりは、一つの思い出になっています。

どうしても女性の方が、負担が大きくなってしまうかと思いますが、あまり負担を感じずに「しんどかったらやめよう」くらいの気持ちで取り組まれてもいいのかな、と思います。

ずーっと不妊治療のことを考えているなんてしんどいですから。

私も「なんて子供ができないんだろう」なんて思い悩まず、「子供ができたらこんな名前つけようかな」なんて楽観的に考えていました。

そんな風に少し軽い気持ちで始めた方が、気が楽になると思います。

夫婦の会話を忘れずに、まず子供、ではなく、まず夫婦二人が幸せでいれるにはどうするか、を考えて行動されると素敵な未来が待っていると思います。

インタビュー概要

2022年4月7日に松田洋行さん&えり子さんご夫妻にお応えいただきました。不妊治療を継続するかも話し合い、『きっぱり辞める』と決めたのちに赤ちゃんを授かられました。『不妊治療は無駄じゃなかった』と感想を述べられるストーリーには経験者からこその大切なメッセージがたくさんあり、勇気をいただきました。洋行さん&えり子さんご夫妻、貴重なお話をありがとうございました。
子授かりネットワーク Koshi

質問:不妊治療を始められたきっかけを教えてください。

Koshi

治療をしようと思われたきっかけを教えてください。

えり子

元々、私が35歳、夫が36歳と平均より遅くに結婚しました。
私には持病があり、20代の時には「子供は諦めなさい」と医者に言われたこともあります。

そのためあまり積極的には子供を作ろうと思っていなかったのですが、現在の主治医がこの持病でも子供は産むことが可能と言ってくれたことをきっかけに真剣に考えるようになりました。

また、私の友人にも不妊治療している人が多く、私は持病がありますが、健康体の友人でさえ不妊治療をしていることを知り、ますます自分もしっかりプロに相談した方がいいのでは、と思うようになりました。

またその友人から「最初は検査だけだし、検査だけでも受けた方がいい」とアドバイスをもらったので、不妊治療のクリニックに行くことになりました。

質問:治療の流れを教えてください。

Koshi

治療の流れについて教えて下さい。

洋行

友人のアドバイスの通り、最初は検査だらけでした。

最初に検査で引っかかったのは私でした。精子の運動率が低い、との診断で、かなり落ち込みました。



私は体も弱く、持病もあり、不妊であることはなんとなく予想がつきましたが、まさか私までが、とショックを隠しきれませんでした。

漢方薬をもらい、また検査しました。漢方薬を2ヶ月ほど飲むと、精子の運動率が普通に戻ってホッとしました。

えり子

私は卵管造影検査が大変でした。
お医者さんは「痛みを伴わない検査です」と言っていましたが、インターネットには「めちゃくちゃ痛い」との書き込みが。
もちろん反対に全然痛くない人もいるようで、自分がどちらになるかとても不安でした。

結果、痛いというより気持ち悪く、病院で嘔吐してしまうほどでした。

結果、片方の卵管が詰まっているとのこと。
この卵管造影検査をすると、妊娠しやすくなる、というのを病院で聞き、友人でも卵管造影検査の後、妊娠した人がいるので、少し期待していましたが期待むなしくそれでは妊娠しませんでした。

えり子

タイミング法は半年ほどしましたが、夫が残業でしんどい時にあたったり、私のアトピーがひどい時にあたったりとなかなか難しかったです。

義務化するのもなんだか違う気がしていたし、年齢も若くなかったので、お医者さんに自分から「もう半年もタイミング法やって子供ができていません」と次のステップに行くのを促しました。
(とても無口なお医者さんで、受け身の姿勢では次のステップに進まない、とクチコミに書いてありましたので積極的に意見しました。

私に持病があるので、持病があっても受け入れてくれるクリニックはここしかありませんでした)

その後、人工授精を初めてして、子供は授からず、お正月を挟んでしまったので、1ヶ月間をあけて、2回目の人工授精をしました。

質問:クリニックを選ばれたポイントを3つ教えてください。

Koshi

クリニックを選ばれたポイント3つとその理由を教えてください。

えり子

第一に、まず私の持病があっても受け入れてくれたこと。
最初にインターネットで調べてクチコミが良いところに行ったら「持病をお持ちですのでここでは見られません」と言われてしまいました。
それで、家から通える範囲のところで「持病がありますが、診察していただけますか?」と聞いて、「治療可能です」という返事をもらって、このクリニックに行きました。

えり子

第二に、家から近いこと。私はパートだったため、仕事帰りに寄れるところがありがたかったです。


第三に、先生が高圧的ではないこと。我々の通ったクリニックは「先生が無口」というクチコミが多く、実際にとても無口でした。
無口なことには賛否両論ありますが、友人は別のクリニックで基礎体温つけてないだけで怒られたそうで、そういう怒るようなことも絶対にない先生だったので妻にはあっていました。

質問:不妊治療以外で取り組んだことはなんですか?

Koshi

不妊治療以外で取り組んだことはありますか?

えり子

二人でサプリメントを飲みました。私は葉酸とマカ、夫はマカを。

夫は検査の結果がショックだったので、少しでも精力をつけたかったことと、手軽に二人でできる妊活だったので、二人で取り組みました。

休日は二人でおしゃれなカフェを巡ったりした。

質問:大変だったことはどんなことでしたか?(検査・治療・お金・メンタル・仕事・・・)

Koshi

検査・治療・お金・メンタル・仕事などで大変だったことはどんなことでしたか?

えり子

まず、治療費です。
毎回診察に約2千円かかり、それが月に3回ですから、検査や人工授精をしなくても月に6千円かかります。

私は持病がありますから、他にも医療費がかかるので、毎月医療費が3万円から4万円くらいかかっていました。

人工授精の時はそれだけで1万円かかるので全部合わせると5万円かかったりしていました。

医療費控除で提出しましたが、うちはローン控除があるため、年間で何十万円医療費がかかったとしても、あまり得にはなりませんでした。

洋行

妻の卵管造影検査も見ていてかわいそうでした。次の日の仕事をキャンセルして、一日中寝ていないといけないくらいしんどそうでした。

洋行

精子の運動率の検査も精神的にはとてもショックでした。

洋行

妻の卵管が片方詰まっているのもそうですが「俺たち歳なんだから仕方ないよ」と自分たちで言い聞かせました。

洋行

一番しんどかったのが、妻の泣いている姿を見ることでした。
何もできないので、ただ見ていて辛かったです。

えり子

卵管造影検査の後、1回目の人工授精の後、そして生理が1週間遅れた時など(妻の生理周期はとても規則正しいので)、すぐ泣いてしまい、泣くたびに夫が「泣くなら不妊治療やめよう」と言いました。

精神的に二人ともかなり負担になっていたので、思い切って不妊治療をやめました。
これも一つの選択肢だと思っています。

質問:お金について教えてください。

Koshi

お金について教えてください。

えり子

毎回診察に約2千円かかり、それが月に3回ですから、検査や人工授精をしなくても月に6千円。検査が入ると月に1万円。

人工授精は11000円。
サプリは月に五千円を一年半。

助成金を調べて、助成金がもらえない収入だったので、体外受精は諦めました。

質問:治療を続ける秘訣を教えてください。

Koshi

治療を続ける秘訣を教えてください。

えり子

私は、不妊治療をして子供を授かった友人が多いので、そういう人たちには話を聞いてもらっていました。

不妊治療は言いにくいことかもしれませんが、自分が不妊治療をしている、というと、「うちも不妊治療して子供を授かったよ」と言ってくれる友達ばかりでした。

卵管造影検査でできた友人、人工授精でできた友人、体外受精でできた友人とそれぞれ色々な悩みを持っていたので、自分の話をわかってもらえたりしてよかったです。
気分があかるくなりました。

えり子

あとは、私たち夫婦は共通の趣味があるので、共通の趣味で楽しんでいました。
共通の趣味の間は、不妊治療のことを考えないですむ時間だったので、子供ができないという憂鬱な気分から解放されました。

質問:ご夫婦で話し合ったことはどんなことでしたか?

Koshi

ご夫婦で話し合ったことはどんなことでしたか?

えり子

助成金が出ないので、体外受精が30万円まるままかかるとなり、30万円なら二人で旅行に行けるし、子供がいなくても二人でも楽しく暮らせる、と話しあい、不妊治療をやめました。

質問:夫婦のコミュニケーションで意識していたことはなんですか?

Koshi

質問:夫婦のコミュニケーションで意識していたことはなんですか?

洋行

人工授精の後は必ず妻と美味しいものを食べに行きました。
休日は車でおしゃれなカフェ巡りをしました。
なるべく不妊治療のことを考えないように趣味の話をしました。

えり子

タイミング法の時に、無理強いしないように気をつけました。
タイミング法の最後らへんは、良いタイミングの日にちをあえて夫には言いませんでした。
言わない方が変に身構えなくていいのではないかと思いました。

質問:お互いのサポートで嬉しかったことはなんですか?

Koshi

奥さま、ご主人様それぞれのサポートで嬉しかったことはなんですか?

えり子

人工授精の日は必ず私の好きなカフェに連れて行ってくれました。

他にも毎週末、いろんなところでデートしました。
それもとても楽しかったです。

「俺は子供いなくても、二人でも楽しいよ」と言ってくれたのもプレッシャーにならずに済んでよかったです。

もし「絶対に子供が欲しい」と言われていたらプレッシャーと不妊治療のしんどさでおかしくなっていたかもしれません。

不妊治療に関しては私に色々決めるのを任せてくれました。
それもありがたかったです。

サプリメントを一緒に飲んでくれたのも嬉しかったです。
不妊治療は私一人だけじゃなく、二人でしているんだと思えました。

洋行

色々病院を調べたり、不妊に良いサプリメントを探してくれたり、助かりました。

私はリサーチが得意ではないので、妻が全て調べてくれて決めてくれたのはありがたかったです。

また週末は二人で色々な場所に行ってストレス発散ができました。

不妊クリニックも自分で探し、平日に一人で行ってくれました。
私が一緒だと必ず土曜日になってしまうので、土曜だと人も多いから、と平日に行っていました。

私がクリニックに行ったのは人工授精の時だけなのですが、土曜日はほとんどご夫婦で来ている人たちばかりでした。

きっと一人で行くのを不安に思う人もいるんだろうなと思いました。
その点、妻は一人でパッパッと用事を済ませて気にしない方なので、よかったです。

質問:ご夫婦で取り組んだことを教えてくだい。

Koshi

ご夫婦で取り組まれたことはなんですか?

えり子

サプリメントを飲みました。少しでも子供ができる体に近づきたかったからです。

質問:治療中のストレス解消方法について教えてください。

Koshi

どんなことでストレスを解消していましたか?

えり子

夫婦で宝塚歌劇鑑賞、カフェ巡りです。

質問:お仕事との両立について教えてください。

Koshi

仕事との両立はいかがでしたか?

えり子

夫は職場の人には言えませんでした。

どちらかというと、仕事を優先し、夫が休みの土曜日も空いているクリニックにしました。

私は非常勤講師だったため、勤務時間の調整ができるので、不妊治療している時は担当する授業数を減らし、仕事のストレスを減らして病院に通いやすくしました。

Koshi

勤務先の支援体制はいかがでしたでしょうか?

えり子

夫の職場は男性が多いこともあり、あまりそういう支援体制はありませんでした。

私の上司は女性で10年以上の不妊治療の結果赤ちゃんを授かった人なので、親身になって聞いてくれました。

もともと非常勤講師で勤務時間の調整がしやすかったのもよかったです。

質問:不妊の治療をされている方や検討されている方へのアドバイスをお願いします。

Koshi

不妊の治療をされている方や検討されている方へのアドバイスをお願いします。

洋行

不妊治療はどうしても女性に負担が多くなってしまいますが、原因が男性のこともあります。
どうか自分に関係のないことだとは思わずに親身になって奥さんとしっかり話し合ってください。

奥さんのことを一番わかっているのは旦那さんだと思うので、子供が欲しいという奥さんに対して、奥さんがやって欲しいことをやってあげるのが一番じゃないかなと思います。

自分が子供を欲しくても、奥さんのプレッシャーにならないよう言動には気をつけて(女性の観察力はすごいですから)しっかりサポートしてあげてください。

不妊治療をしても子供を授からない場合は「きっぱりやめる」という選択肢もあります。

実際うちの場合は、不妊治療をやめたら子供を授かりました。それでも不妊治療は無駄じゃなかったと思います。
迷っているならとりあえず不妊治療をされてみてはいかがでしょうか。

えり子

「不妊治療」というとすごく大変なイメージがありますが、私たち夫婦はたくさんコミュニケーションをとりながら、二人の生活の一部として不妊治療をしていました。

特に人工授精した後などは主人が美味しいランチに連れて行ってくれたりしたので、すごくしんどかったというよりは、一つの思い出になっています。

どうしても女性の方が、負担が大きくなってしまうかと思いますが、あまり負担を感じずに「しんどかったらやめよう」くらいの気持ちで取り組まれてもいいのかな、と思います。

ずーっと不妊治療のことを考えているなんてしんどいですから。

私も「なんて子供ができないんだろう」なんて思い悩まず、「子供ができたらこんな名前つけようかな」なんて楽観的に考えていました。

そんな風に少し軽い気持ちで始めた方が、気が楽になると思います。

夫婦の会話を忘れずに、まず子供、ではなく、まず夫婦二人が幸せでいれるにはどうするか、を考えて行動されると素敵な未来が待っていると思います。