NIPT(新型出生前診断):安全で簡単な出生前スクリーニング、あなたの赤ちゃんの健康を守るために

妊娠中の女性とその家族にとって、生まれてくる赤ちゃんの健康は最も重要な関心事の一つです。NIPT(新型出生前診断)は、母体の血液から安全で簡単な方法で赤ちゃんの健康状態を知ることができる画期的なスクリーニング検査で、ダウン症候群を含む染色体異常のリスクを早期に発見し、妊娠中の不安を軽減し、適切な医療ケアの準備をすることができます。

NIPT(新型出生前診断)とは?妊娠初期における遺伝的リスクのスクリーニング

NIPT(新型出生前診断)は、妊娠初期の母体の血液を用いて行う、スクリーニングの方法です。この検査は、母体への身体のリスクを伴わず、胎児のDNAを分析することで、ダウン症候群など特定の染色体異常の可能性を検査します。

NIPT(新型出生前診断)の基本的なプロセスと概要

NIPT(新型出生前診断)のプロセスは以下のステップで構成されています

  1. 妊婦から血液を採取します。これは一般的な血液検査と同様で母体の身体のリスクはほとんどありません。
  2. 採取された血液から、胎児由来のDNAを抽出します。
  3. DNAから、ダウン症候群(トリソミー21)、エドワーズ症候群(トリソミー18)、パトウ症候群(トリソミー13)などの特定の染色体異常について分析します。
  4. 検査結果は、通常「陽性」、「陰性」、「判定保留」と判定されます。
  5. 陽性または判定保留の場合、遺伝カウンセリングが推奨されます。 これにより、妊婦とその家族は、検査結果の意味と次のステップについての詳細なガイダンスを受けることができます。

このように、NIPT(新型出生前診断)はリスクを伴わず、簡単な手順で妊娠中に重要な染色体異常について知ることができます。

どのような遺伝的状態を検出できるのか?

NIPT(新型出生前診断)は、特定の遺伝子、主に染色体異常を検出するために使用されます。この検査で特に注目されるのは以下の染色体異常です。

  1. ダウン症候群(トリソミー21):21番の染色体が通常の2本ではなく3本が存在する状態です。ダウン症候群の子供たちは特定の身体の特徴と様々な程度の知的障害を持つ可能性があります。
  2. エドワーズ症候群(トリソミー18):18番の染色体が3本存在する状態です。この症候群は重篤な発達障害持ち、生後の生存率が低いことが特徴です。
  3. パトウ症候群(トリソミー13):13番の染色体が3つ存在する状態で、重篤な知的障害や身体の異常があります。

NIPT(新型出生前診断)はスクリーニング検査であり、最終的な確定診断のためには追加の検査が必要となることを留意する必要があります。

NIPT(新型出生前診断):安全で簡単な出生前スクリーニング、あなたの赤ちゃんの健康を守るために

NIPT(新型出生前診断)のメリット:安全性と精度

NIPT(新型出生前診断)は、妊娠中の胎児の染色体異常を検出するための方法で、特にその安全性と精度の高い点が注目されています。母体や胎児に対するリスクが少なく、従来の検査方法に比べて大きなメリットがあります。

非侵襲性による安全性の高さ

NIPT(新型出生前診断)の大きなメリットの一つは、非侵襲性による安全性の高さです。従来の出生前診断方法と比較して、母体にとって以下のような安全性のメリットがあります。

  1. NIPT(新型出生前診断)は母親から採血した血液を用いて行われるため、妊婦や胎児に対する物理的なリスクが低く、死亡のリスクが大幅に減少します。
  2. 従来の方法では、羊水穿刺や絨毛採取などのような妊婦や胎児に負担のかかる侵襲的な手順が必要でした。しかしNIPT(新型出生前診断)により、リスクを回避することができます。
  3. NIPT(新型出生前診断)は妊娠初期から利用可能であり、妊婦が初期段階で必要に応じて適切な医療対応を計画することが可能となります。

このように、NIPT(新型出生前診断)はその非侵襲性により、妊婦と胎児の健康と安全を最優先しながら、重要な遺伝子情報を確認できる手段として高い評価を受けています。

染色体異常の精度高い検査結果

NIPT(新型出生前診断)は、特にダウン症候群(トリソミー21)、エドワーズ症候群(トリソミー18)、パトウ症候群(トリソミー13)のような染色体異常について、従来の検査方法に比べて高い精度があります。NIPTができたことにより、羊水検査の実施率は下がりました。

例えば、結果が陰性と診断された場合は実際には99.99%以上が陰性であったというデータがあります。しかし、陽性とされた人のうち、本当に病気があった人の割合(陽性的中率)は妊婦さんの年齢と病気の種類によって変動が大きく、陰性の結果よりも低下します。

NIPT(新型出生前診断)の実施時期とプロセス

NIPT(新型出生前診断)は妊娠10~16週間の間に行われ、主にダウン症候群(21トリソミー)、エドワーズ症候群(18トリソミー)、パトウ症候群(13トリソミー)などの染色体異常の可能性をスクリーニングし、その後のDNAを分析することで、染色体異常の存在を広範囲に知ることが出来るのが特徴です。

最適な実施時期:妊娠何週目から?

NIPT(新型出前診断)は妊娠10週目から16週目の間に行うことで、精度の高い検査結果を得ることがます。 妊娠10週目前では、母親の血液中に胎児由来のDNA(cfDNA)が十分でないため正確な検査結果を得ることができない場合があります。また、妊娠16週目以降では、他の出生前検査や超音波検査が行われることが多いため、NIPT(新型出前診断)の必要がなくなります。このため、妊娠10週目から16週目の間に行うことが推奨されています。

実際のテストプロセス:何を期待するか

NIPT(新型出生前診断)の実際のテストプロセスは以下のとおりです。

  1. NIPT(新型出生前診断)を行う前に、遺伝カウンセリングを行います。ここで、検査の目的、方法、可能性のある結果についての詳細な情報を事前に確認することができ、妊婦は安心して検査を受けることができます。
  2. 妊婦の腕から血液を採取します。これは通常の血液検査と同じ方法で行います。
  3. 採取された血液から、血液中の胎児のDNA(cfDNA)が抽出し分析します。
  4. 検査結果は、通常数週間以内に「陽性」、「陰性」、「判定保留」のように判定され、医師より説明されます。
  5. 陽性の場合は羊水検査や絨毛検査を行って確定診断をします。判定保留の場合は遺伝カウンセリングを行い、もう一度NIPT検査を行うか、やめるか、羊水検査などを受けるかどうかの相談をします。
NIPT(新型出生前診断):安全で簡単な出生前スクリーニング、あなたの赤ちゃんの健康を守るために

NIPT(新型出生前診断)の結果の解釈:何を意味するのか?

NIPT(新型出生前診断)の結果の解釈は妊娠中の重要な判断材料となります。 この検査は妊娠初期に致命的な染色体異常をスクリーニングし、「陽性」、「陰性」、または「判定保留」と判定され、それぞれに特定の染色体異常が存在する可能性などについて知ることができます。

リスク評価と結果の理解

  1. 「陽性」:特定の染色体異常が存在する可能性が高い。
  2. 「陰性」:染色体異常の可能性が低い。
  3. 「判定保留」:結果が不確定。

これらの結果は確定診断ではなくリスク評価です。 高精度であるもの、偽陽性(陽性と出たが実際には病気がない)の可能性もあり、陽性的中率は年齢やトリソミーの種類によって変わってきます。例えば判定の精度は妊婦さんの年齢が若いほど下がり、21トリソミーと比較すると13トリソミーや18トリソミーは正確さが下がっていきます。陽性の場合でも確定したわけではないので、医師から十分に説明を受け、確定検査を行うことが大切です。

一方、陰性の場合は99.99%以上が実際に陰性で、偽陰性は1万人に1人以下というデータがあります。しかし、陰性だからといって「先天的な病気がない」という意味ではありません。NIPTはあくまで21トリソミー,18トリソミー,13トリソミーのみのスクリーニングになるからです。陰性であっても定期的な妊婦健診などで、赤ちゃんの成長の様子を見守っていきましょう。

偽陽性の可能性とその対処法

NIPT(新型出生前診断)では、偽陽性の可能性が存在します。偽陽性とは、実際には前面に染色体異常がないのに、検査結果が陽性と判定されるケースのことです。これは、母親や胎児の特定の条件、または検査過程で起こることがあります。 偽陽性の可能性は全体的に低いものの、特に高齢の妊婦や特定の条件を持つ妊婦でやや増加することが知られています。偽陽性の結果に対する対処法は、次のように妊婦に寄り添ったアプローチをとることが重要です。

参考元) 出生前検査認証制度等運営委員会 NIPT

NIPT(新型出生前診断)を受けるべきか?個々の状況に合わせた判断

NIPT(新型出生前診断)は、妊娠中の胎児の染色体異常を非侵襲性的に検査する方法ですが、全ての妊婦にとって必要な検査ではありません。この検査を受けるかどうかの判断は、妊婦の年齢、妊娠の経過、遺伝のリスクなど個人の状況に基づいて行う必要があります。また、検査の利点とリスクを十分に見据え、医師との詳細な相談、最適な選択をすることが重要です。NIPT(新型出生前診断)は高精度のスクリーニング検査であるものの、最終的な診断を下すものではないため、結果の解釈には注意が必要です。

誰がNIPT(新型出生前診断)を受けるべきか?

NIPT(新型出生前診断)の受診については、特に以下のような方は 受診を検討することが推奨されます。

  1. 高齢の妊婦
  2. 家族の罹患歴や遺伝的なリスクを持つ妊婦
  3. 過去に染色体異常を持つ胎児を妊娠した経験がある妊婦

しかし、NIPT(新型出生前診断)はスクリーニング検査であり、最終的な診断ではないため、結果に基づいて確定検査が必要になります。また、検査の結果が陰性でも、経過の中で染色体異常ではない病気が見つかることもあるので、医師の指示に応じて追加の検査を行うことがあります。

保険適用とコストについて

NIPT(新型出生前診断)の費用に関しては、一般的に健康保険が適用されないため、自費診療となります。そのため、費用は病院やクリニックによって異なりますが、一般的な相場は10万円から20万円程度です。この費用には、採血から染色体異常のスクリーニング、結果の報告までの一連のプロセスが含まれます。

NIPT(新型出生前診断)の費用は比較的高額であり、且つ保険適用外であるため、受診を考える際には経済的負担についても検討する必要があります。また、NIPT(新型出生前診断)は確定診断ではなく、暫定的なスクリーニング検査であるため、これに加えて羊水検査などの確定診断にかかる費用もそれなりに負担となります。

NIPT(新型出生前診断)を受診するかどうかの決定は、医師との相談の上で、妊婦自身の健康状態、家族の罹患歴、経済的な状況、精神状態などから判断することが大切です。検査の結果によっては、妊娠の継続や中断など重大な選択を迫られる可能性もありますが、そのためには十分な情報とサポートを得ることが重要です。

まとめ:NIPT(新型出生前診断)を通じて赤ちゃんの健康を守る一歩

NIPT(新型出生前診断)は、妊娠中の胎児の染色体異常を非侵襲的に検出する確実な方法です。この検査は妊婦の血液から胎児の遺伝子情報を分析し、ダウン症候群などの染色体異常のリスクを早期に発見する方法です。安全で正確な結果を得ることにより、妊婦とその家族のために大切な判断を下すための情報となります。

NIPT(新型出生前診断)の重要性と将来の妊娠ケアへの影響

NIPT(新型出生前診断)の導入は、妊娠ケアにおいて重要な役割を示しています。この検査は、妊婦へのリスクが限りなく低く、特定の染色体異常を高い精度で検出できるため、高齢の妊婦や遺伝的要因によるリスクが高い妊婦に対して、安心と安全の両方で大きなメリットがあります。

この検査により得られる情報は、必要に応じて追加の確定検査や心の準備、家族計画の決定に役立ちます。 NIPT(新型出生前診断)のさらなる発展は、妊婦とその家族のためにより良い未来の選択に役立つことが期待されます。

さらに学ぶためのリソースと支援

NIPT(新型出生前診断)をさらに学ぶためには、医療機関や専門家からの直接的な情報提供、専門的なウェブサイトや学術論文があります。例えば、産科医や遺伝カウンセリングは、NIPT(新型出生前診断)の考え方、リスク、注意などの情報を提供し、妊婦の状況に応じたアドバイスをしてくれます。

また、インターネット上の医療情報ポータルや厚生労働省のウェブサイト、専門的な医療機関のウェブページなどで、NIPT(新型出生前診断)に関する正しい情報を確認することができます。

まとめ

NIPT(新型出生前診断)は妊婦から採取した血液から分析することができる非侵襲的な出生前スクリーニング検査です。この検査では、主にダウン症候群やその他の染色体異常のリスクを早期に発見することができます。

NIPT(新型出生前診断)は、妊娠中の女性やその家族にとって重要な情報を知るためのものですが、その結果の解釈や適切な対応には専門家のアドバイスが必要です。そのため、NIPT(新型出生前診断)を受ける場合は遺伝カウンセリングや専門的な医療機関でのサポートを受けることが推奨されます。

引用元)国立成育医療センター

この記事を書いた人

Yukiko Nakajima

この記事を監修した人

中 友里恵