あおさん(31歳)& 博一さん(35歳)NO.42

体験者について

女性プロフィール
仮名:あお
性別:女性
年齢:31歳
職業:パート
趣味:ゴルフ
妊活・不妊治療
1人目の治療
治療開始年齢:29歳
治療期間:2年
タイミング法:◯
人工授精:6回
顕微授精:2回(1回目は採卵するも胚盤胞にならず)

     

男性プロフィール
仮名:博一
性別:男性
年齢:35歳
職業:会社員
趣味:ゴルフ
妊活費用
人工授精:20万円
顕微授精:20万(保険適用になったため)


    
クリニック名:清水産婦人科
※以下のインタビューは、あくまでの卒業生の感想であり、登場する個人・法人に関する感想として、1つの参考情報として頂けましたら幸いです。
妊活・不妊治療中の方へ 応援メッセージ
不妊治療に踏み切る前に、パートナーと将来の事や子どものことをたくさん話し合ってください。
不妊治療は一人ではとてもできません。辛いこと悲しいこと悔しいこと、たくさん経験する可能性があります。
治療が長引けば長引くほど、世の中を恨んだり、自分を責めたり、心が壊れていく気がして、すべてが嫌になるときもあります。

そんな時、支えになるのがパートナーとの共有だと思います。自分が思っている事の不安や治療に対するイメージなど、不妊に対するお互いの思いを認識し合ってみてください。

あとは…悩んでいてもなるようにしかならない!!一緒に「ほどほどに」頑張りましょう!

インタビュー概要

2022年10月18日にあおさんにお答えいただきました。子宮頸がん検診で軽度異形成という診断を受けたことをきっかけに、治療を始められました。「妊活は(夫婦)二人でするもの」と最初にご主人様と話し合われ、互いを思いやりながら、歩まれていらっしゃいます。時に辛い治療も乗り越えるためのヒントがたくさんお話の中にあり、とても参考になります。あおさん、貴重なお話をありがとうございました。
子授かりネットワーク Koshi

質問:不妊治療を始められたきっかけを教えてください。

Koshi

治療をしようと思われたきっかけを教えてください。

あおさん

約2年前に私が子宮頸がん検診で再検査との診断をもらい、コルポスコープ検査を行ったところ、軽度異形成という診断が下されました。

今まで妊活に対し、「子どもは縁だから」という認識から重要視していませんでしたが、悪化次第でガンに繋がる病気を、たとえ軽度でも患うと「将来的に子宮そのものがガンに侵されて、子どもが産めなくなってしまうかもしれない」と本気で考えるようになりました。

あおさん

そこまで子どもが欲しかったわけではなかったのですが、病気をきっかけに

「本当に子どもはいらないのか、考えるのがめんどうだっただけではないのか」と向き合うことが増え、

自分の中で「なかなか自然妊娠しなかったから、子どもは縁だと思い込んでただけで、やっぱりどうしても旦那との子どもが欲しい」と正直な思いを見つけることができたので、

善は急げ!とその日に不妊治療クリニックへ電話をかけました。

子宮頸がん検診で見つかった病気が、治療へ背中を押してくれました。

質問:治療の流れを教えてください。

Koshi

治療の流れについて教えて下さい。

あおさん

まずは風疹の耐性があるかどうかの検査をし、主人に若干のEDがありタイミング法は難しいとの判断で、次のステップの人工授精からスタートしました。

初めて内診した時に「もう明後日ごろに排卵すると思うから、明後日にやりましょう!」とのことで、大慌てで予定や心の準備をしたのを覚えています。

その後、私に多嚢胞性卵巣症候群が見つかり、生理不順だったこともあって排卵誘発剤で調整し、人工授精に計5回挑みましたが結果は改善しませんでした。

人工授精6回目ごろから体外受精に向けての準備をし、アンタゴニスト法で挑んだ採卵の日に、主人の精子に異常が見つかって急遽、顕微受精に変更しました。

質問:クリニックを選ばれたポイントを3つ教えてください。

Koshi

クリニックを選ばれたポイント3つとその理由を教えてください。

あおさん

まずは自宅から近いこと。
クリニックは自宅から車で15分のところにあります。朝通勤前や夜中の23時頃に筋肉注射を打ちにいかなければならないこともあったので、とても助かりました。

あおさん

次に看護師さんたちの雰囲気です。
ただでさえ憂鬱な気分になりがちな不妊治療なので、明るい看護師さんたちと話していると心が安らぎます。

あおさん

最後に料金と口コミの兼ね合いです。
将来を左右する治療なので、口コミをチェックし、気になったクリニックの料金表を見て「安くもなく高すぎることもなく」不安のない金額帯だということを確認し、選びました。

質問:クリニックの良かった点を教えてください。

Koshi

クリニックの良かった点を教えてください。

あおさん

看護師や主治医が親身になってくれることです。
一回目の顕微受精がうまくいかなかった時、主治医が「どうすればいいかは私が考えます。あなたは何も考えなくていいのでゆっくり休んでください」と声をかけてくださいました。

質問:不妊治療以外で取り組んだことはなんですか?

Koshi

不妊治療以外で取り組んだことはありますか?

あおさん

HPVワクチンを受けたことと、ダイエットです。
不妊治療を初めてから、軽度異形成が中等度まで進行してしまったので、少しでも不安を取り除きたいと(ワクチンで異形成は治らないが、今後再感染が防げるとの説明の下)HPVワクチンを自費で受けました。

肥満は多嚢胞性卵巣症候群の原因のひとつにもなる、とのことなので、エアロバイクを購入し、運動によるダイエットに取り組みました。

どちらとも、ひとつでも子宮に対する不安を取り除きたい思いから始めました。

質問:大変だったことはどんなことでしたか?(検査・治療・お金・メンタル・仕事・・・)

Koshi

検査・治療・お金・メンタル・仕事などで大変だったことはどんなことでしたか?

あおさん

金銭的な問題や検査・筋肉注射などの治療の痛みも大変でしたが、一番大変で辛かったのはやっぱりメンタルの調整です。

人工授精トライ中、どれだけ健康に気を付けていようが、サプリメント摂取や軽い運動やストレスをためないようにと意識していようが無慈悲にも来る生理に心が壊れていくのを感じました。

「なんで私はお金かけても子どもができないんだろう、女として機能しないんだろう…友達は治療しなくとも2人・3人と妊娠できているのに…」と自分を責める毎日でした。

その時から結果を急いでいて、人工授精でボロボロだったメンタルのまま顕微受精に移行し、採卵するも受精卵が成長しないまま全滅。
完全に心が折れてしまいました。結果を聞かされた診察室で声を上げて泣いたのを、今でも鮮明に覚えています。

あおさん


しかし、主人の「いったん忘れて思いっきり遊ぼう!」の一言が乗り越えるキッカケになりました。

嫌いだったサプリや健康を意識したダイエットを一度中止し、治療以来控えていたファストフードを食べてみたり、思いっきりゴルフしたり、二人で旅行したりと遊びに遊んで、妊活のことを一度忘れてみると、信じられないくらい毎日が楽しくなりました。

毎日、妊活の事で頭がいっぱいだったのだなと実感するほどです。
すると、ふとした時に不思議と「もう一度頑張ってみようかな」という気になり、今現在もう一度顕微受精をトライ中です。

今でも辛くなると「一度妊活から離れよう!」と趣味に没頭したり、体重を気にせず美味しいものを食べたり、時には夜更かししてみたりと、ストレスを調整しています。

質問:お金について教えてください。

Koshi

お金について教えてください。

あおさん

治療途中から保険適用になり、助成金等の仕組みは何もわからないまま治療を受けています。

かかった金額は人工授精に約20万円(この時は保険適用外の時期がほとんどです)顕微受精が20万円弱(保険適用です)、サプリはドラッグストアのマルチビタミンを購入しているので1か月2000円程度です。

質問:治療を続ける秘訣を教えてください。

Koshi

治療を続ける秘訣を教えてください。

あおさん

辛い・悲しい・嬉しいなど、妊活について感じたことを包み隠さず夫婦で話し合うこと。

治療は私だけでなく夫婦でやるものなので、私の感情だけをぶつけるのではなく、旦那が感じたものも一緒に共有すること。
ひとりではなく、一緒に頑張っているという共通認識が持てるので「あなただけ楽でいいよね」などの不公平感が一切なく、治療が二人で前向きに取り組めるようになりました。

WEB漫画などでよく「旦那が不妊治療に参加してくれない」という題材のものを見かけますが、それは実話なのか?と思うぐらい、主人は治療に参加してくれます。

質問:ご夫婦で話し合ったことはどんなことでしたか?

Koshi

ご夫婦で話し合ったことはどんなことでしたか?

あおさん

とにかく何でも話し合いました。
内診の内容や先生からの言葉、看護師さんとの話や治療費、他の患者さんの様子や将来のことなど。

あとは治療回数のリミットを話し合いで決めました。
人工授精はとりあえず最後の6回まで頑張りたい、今回で3か月ぐらい休みたい、顕微受精は3回チャンスが欲しい、など、二人で金銭・精神・生活等の負担の認識を共通しつつ、二人の意見をすり合わせながら話し合いました。

質問:夫婦のコミュニケーションで意識していたことはなんですか?

Koshi

質問:夫婦のコミュニケーションで意識していたことはなんですか?

あおさん

なんでも話し合うこと、ではあるのですが、ただ感情をぶつけるだけでなく、お互いのことを思いやりながら発言しています。

治療は辛いけれど、辛い思いしてるのは自分だけではない、という意識を常に持って話しています。
「私は今日の採卵の手術が痛くて嫌だったけど、あなたも仕事休みなのに朝から頑張って採精して疲れたよね。お互いお疲れさまだね」と労わる言葉を夫婦で掛け合っています。

質問:お互いのサポートで嬉しかったことはなんですか?

Koshi

ご主人様のサポートで嬉しかったことはなんですか?

あおさん

主人が全力でサポートしてくれたことが一番嬉しかったです。
採卵手術後、体調が悪く、深夜自宅で何度も嘔吐、トイレで倒れた私に「よう頑張ったな、もう大丈夫やから」と何のためらいもなく救急車を呼んでくれたことです。

救急隊員に「昨日、採卵手術をした」「医師から卵巣過剰刺激症候群の可能性があるかもしれないと言われていた」「症状が当てはまった」など私の様子を事細かに話してくれて、不妊治療のことも、私が受けた採卵手術のこともちゃんと自分のことのように伝えてくれるのが頼もしくあり、嬉しくもありました。
ちゃんと主人も不妊治療をしているんだ、と再認識しました。

質問:ご夫婦で取り組んだことを教えてくだい。

Koshi

ご夫婦で取り組まれたことはなんですか?

あおさん

クリニックにはできるだけ夫婦で行くこと。診察の後、二人でとことん話し合うこと。
診察日や自己注射・薬投与など、スケジュールを二人で事細かに共有することです。

Koshi

なぜ、その取り組みをしましたか?

あおさん

「妊活は二人でやるもの」と最初に話し合い、これだけは守ろうと決めたためです。
これはどちらかだけの問題ではなく、夫婦の問題だという共通意識が持てるので、
「旦那も一緒に頑張ってるんだ」と思うと自分も頑張れます。

主人も「〇〇日妊活(診察)だよね。その日は一緒にクリニックに行って、そのついでに夕飯は外食にしよう」など、家事の負担軽減を提案してくれるようになりました。
治療に対する精神的や身体的負担は、このお互いの共通意識のおかげで比較的軽くなっているのだと思います。

質問:治療中のストレスの解消方法について教えてください。

Koshi

どんなことでストレスを解消していましたか?

あおさん

不妊治療中のストレス解消法はとにかく忘れる事です。
不妊治療…赤ちゃんが少しでもはやく来てくれるように健康を過度に意識したり、好きなものを大幅に制限したり、飲みたくもないサプリをいくつも飲んだり…と、
「赤ちゃんができるなら何でもやる」毎日から、「なるようにしかならないから、今だけは妊活忘れよう」とする日を作ることです。

思いっきりファストフードを食べたり、カラオケで思いっきり歌ったり、夜更かしをして晩酌を楽しんだりと、自分の好きなことをひたすらする日を、たった1日設けるだけでもストレスの感じ方が全く変わりました。

質問:仕事との両立はいかがでしたか?

Koshi

お仕事との両立はいかがでしたか?

あおさん

職場の人には全てお伝えしています。
勤務時間を変更(遅刻や早退)させてもらっています。

質問:勤務先の支援体制はいかがでしたでしょうか?

Koshi

勤務先の支援体制はいかがでしたでしょうか?

あおさん

社長や上司からは「自分のプライベートを優先して」と不妊治療との両立に快く受け入れてくださいました。
同じパートさんも、主婦が多いからか身体を労わってくれる方が多く、職場に恵まれているなぁと感じました。

内診の日は朝にクリニック、昼前に出勤と遅刻をし、採卵や移植の日は休みをとらせてもらっています。ホルモン剤等で体調が悪い時もはっきり理由をお伝えし、休ませてもらっています。

質問:不妊の治療をされている方や検討されている方へのアドバイスをお願いします。

Koshi

不妊の治療をされている方や検討されている方へのアドバイスをお願いします。

あおさん

不妊治療に踏み切る前に、パートナーと将来の事や子どものことをたくさん話し合ってください。
不妊治療は一人ではとてもできません。辛いこと悲しいこと悔しいこと、たくさん経験する可能性があります。
治療が長引けば長引くほど、世の中を恨んだり、自分を責めたり、心が壊れていく気がして、すべてが嫌になるときもあります。

そんな時、支えになるのがパートナーとの共有だと思います。自分が思っている事の不安や治療に対するイメージなど、不妊に対するお互いの思いを認識し合ってみてください。

あとは…悩んでいてもなるようにしかならない!!一緒に「ほどほどに」頑張りましょう!