日本のカップルは「6人に1組は何らかの不妊治療をしたことがある」(国立社会保障・人口問題研究所:2015年調査)という調査結果があり、健康な自然妊娠・出産が難しくなっています。
米国・ハーバード大学の研究により、「オメガ3系脂肪酸のEPAやDHAを含む食事、サプリメントからの摂取量が高いほど、妊娠率、出産率が高い。」との報告により不妊・妊活にオメガ3が注目されています。
ご紹介するオメガ3オイル啓蒙家のオメガさと子さんと、かゆみ・アトピー専門クリニック「うるおい皮膚科クリニック」の豊田雅彦院長とのオメガ3の対談は、不妊・妊活にオメガ3が果す大きな役割についてお話しされています。
最初の妊娠が39歳で3回流産され、その後40歳でオメガさんのコーチングを受け、妊娠・出産された女性の実体験のお話もとても参考になります。
対談はYouTubeでも視聴可能です。一部をテキストにしました。ぜひ合わせてご覧ください。
オメガ3とは
オメガ3の説明をお願いいたします。
油は、オメガ3・オメガ6・オメガ9・飽和脂肪酸の4つにカテゴリが大きく分かれます。どの油もエネルギー源ということは一緒ですが、その中でも、オメガ3とオメガ6は、細胞膜を作る材料という大きな特徴があります。
オメガ3が足りていると細胞を柔らかくし、オメガ6は細胞を硬くします。このバランスが大事です。
オメガ3は、さばやマグロなどの魚介類、アマニ油やエゴマ油などの油など特定の食べ物からしか摂れず、意識しないと不足してしまいます。
オメガ6は、穀物や卵、ごま油やコーン油、大豆油などの一般的に揚げ物に使われる油など、いろいろな物に含まれています。
スーパーに並ぶ加工品のほとんどに入っていますので、現代人は摂りすぎています。結果、バランスが崩れます。
オメガ3で細胞膜を柔らかくするメリットは、何かございますか?
体の中の情報伝達やホルモンにも関わりはございますか?
もちろんです。様々な神経やホルモンなども細胞の柔軟性が欠けてしまうと、すべてに影響が出てしまいます。
オメガ3が妊娠に与える影響とは?
妊活に関係するオメガ3の効果について、お話をしていただけますか?
最近は、出生率の低下と不妊治療の増加を危惧しています。
自然妊娠できない方が増えている原因には、妊娠年齢の上昇や女性の社会進出でのライフスタイルの変化などが挙げられます。
オメガ3が不足することでも、生殖機能に影響が出ると、いろいろな研究で分かっています。1冊目の『最強の妊活!』という本を出版した関連で、実は、個別にコーチングをした方がいらっしゃいます。
オメガ3をしっかり摂って、オメガ6は抑えて、夫婦で取り組んでいただきました。去年(2021年)の11月に無事出産した方を、こちらにお招きしています。
「最強の妊活!」著/オメガさと子 監/守口 徹
オメガ3オイルの〝トリセツ〟について、マンガとイラストでわかりやすく解説するとともに、女性に必要な栄養素も同時に摂れる〝オメガ3オイル妊活最強レシピ〟も紹介!
精神的にも身体的にも経済的にも、大きな負担を抱えることなく取り組める「最強の妊活」がわかります。
オメガさと子さんの妊活のコーチングを受けてみて、いかがでしたでしょうか?
最初の妊娠が39歳です。その後、3回流産を経験して自信を失くしていました時に、オメガさんから妊活を一緒に、と誘っていただきました。
「受精して妊娠するところまで出来ているから可能性がある」と言われました。
いろいろ教えていただいたことを主人と一緒に実践して、無事出産できました。
前回までは、妊娠の周期よりも受精卵が小さくて、産科の先生からお祝いの言葉をなかなか言っていただけませんでしたが、今回の妊娠では、妊娠の周期と受精卵の大きさがぴったりと合っていたので、すぐにお祝いの言葉をいただきました。
その言葉と無事に生まれてきたことが本当に嬉しいです。
個別のコーチングを受けている中で、オメガ3の大切さは、どのように受け取っていましたか?
油に注目したことがなく、教えていただく中で初めて知るものばかりでした。油が細胞にとって大事だということも初めて知りました。
妊娠したいと思う中で、私だけでなく主人も一緒に摂取することで、受精卵に対してのアプローチが出来るので、一生懸命に取り組みました。
産後2ヵ月半くらい経ちますが、母乳の出も良く、飲みも良く、いつも機嫌が良くて、ほとんどぐずることもありません。産後うつが全くなくメンタルも落ち着いています。
オメガ3と産後うつとの関係
マウスの実験レベルですが、うつは、脳の機能がメインになります。
うつ状態でオメガ3を摂取しても、1日や2日では回復に至りません。
マウスの場合でも、2から3ヵ月かかります。妊娠を希望している方は、妊娠前から準備しないと具合が悪くなると思います。
妊娠後期で赤ちゃんの脳が大きくなる時には赤ちゃんにとってさらに多量のオメガ3が必要になりますので、妊婦さんの血液中のオメガ3の量が、妊娠前よりも高くなります。
この時点で足らないと、オメガ3の量が多い脳組織から抽出してしまいます。
欠乏動物の実験では、オメガ3不足による育児放棄や子どもへの無関心などのデータがあります。それに近いことが人間で起きないように、妊娠前からオメガ3をしっかり摂る必要があります。
豊田雅彦オメガさと子 対談映像『細胞cell』
皮膚の細胞から始まり、妊活へのオメガ3摂取の重要性について。オメガ3を妊娠前から摂取することの重要性について。
登壇者のご紹介
オメガ3オイル啓蒙家・オメガオイル料理研究家・起業家
オメガ さと子氏
看護師歴20年、そのうちの7年間を血管カテーテル室(血管専門治療室)に従事し、多くの血管の病気(心筋梗塞や脳梗塞、ガンなどの生活習慣病)のケアに携わる。また、父親が49歳で脳梗塞になり家族で介護に関わった経験などから、血管や脳を健康に保つことの重要性を伝えたいと奮起。2017年より、オメガ3系脂肪酸(以下オメガ3)を活用した料理のレシピ提案や商品開発、オメガ3セミナーや講演活動を通じて、「健康寿命を伸ばす」「未来に健康をつなぐ」ことをビジョンとしながら啓蒙活動中。
著書:「最強の妊活!」「いのちを長持ちさせるひとさじの油」「ママになる人のためのオメガ3がよくわかる絵本」
うるおい皮ふ科クリニック院長
医学博士、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
豊田 雅彦先生(医学博士)
医学博士。1964年、長野県生まれ。国際皮膚科学会において、研究と臨床の両部門で単独世界一を受賞した皮膚科専門医。受診患者の99%(年間約3万人)の症状を軽減~消失に導いた、皮膚・かゆみのスペシャリスト。西洋医学・東洋医学を融合させることで、かゆみを激減することに成功し、個々の患者の症状に合わせたオーダーメード治療をも確立。1990年富山医科薬科大学(現:富山大学)医学部卒業。2003年富山大学皮膚科講師を経て、2005年うるおい皮ふ科クリニック開業。「一人として手を抜かないハイクオリティー高度専門治療」を標榜し、午前9時から午後9時まで(時には日をまたぐこともある)、ノンストップ診療を行なう。評判が評判を呼び、北海道や九州、米国や東南アジアからも受診者多数。受付開始3時間以上前からできる患者の行列は有名。薬だけに頼らず、日常生活の中で病気・かゆみを克服する診療方針は、世界から絶大な信頼を得ている。
麻布大学 生命・環境科学部 教授
日本脂質栄養学会 理事長
守口 徹 先生(薬学博士)
1982年 横浜市立大学を卒業後、製薬会社の薬理部門に勤務。国立がんセンター研究所、東京大学薬学部に研究出向後、同大学で博士号を取得。1997年 客員研究員として米国国立衛生研究所(NIH)で脂肪酸と脳機能を研究。2008年より現職。
主にマウスを用いて必須脂肪酸であるオメガ3系脂肪酸の有用性を「妊娠・胎児期、乳幼児期、成熟期、老年期」の4つのライフステージ別に研究している。ω3系脂肪酸の有用性を広めるべく日々、啓蒙にも取り組む。
NHK『ガッテン!』、テレビ朝日『林修の今でしょ!講座』などテレビ・ラジオの出演多数。
著書『スプーン一杯で認知症を防ぐ!えごま油健康法』(アチーブメント出版株式会社)、『カラダが変わる!油のルール』(朝日新聞出版社)等