産み分けと妊娠の仕組み

産み分けの方法を詳しく知りたい!失敗したくない!思ったら、まずは妊娠の仕組みを理解することが大切です。正しい知識を得ないと、1番の目標である赤ちゃんを授かることが困難になる可能性があるからです。産み分けと妊娠の仕組みについて、これまでに提唱されている方法を参考にしながら考察していきます。

産み分けの歴史

現代において生殖補助医療はめまぐるしく進歩してきましたが、産み分けについては倫理的な議論もあり、日本は産み分けの研究や論文発表は活発に行われていません。1960年代にアメリカ医師のシェトルズ氏が産み分け法を提唱をしており、歴史は意外と古いのです。現在は海外の研究や日本で産み分けに取り組むクリニックの結果等から、日本でも少しずつ普及してきています。
データを統合すると、日本での産み分けの確率は約80%と言われています。産み分けをしていなくても50%の確率でどちらかの性別になるため、産み分けの成功や失敗率の捉え方は様々でしょう。

産み分けのニーズ

 産み分け以前に、健康な赤ちゃんを授かり産むことは全ての女性が望んでいることだと思います。跡取り問題は以前よりも減ったものの、それでも家庭事情や子育ての上で「男の子を産まないといけない」「1人目は男の子だから2人目は女の子が良い」と希望される方もいます。希望の性別とは違ったことで、うつや虐待に至るケースにも遭遇したことがあり、性別はその後の女性と赤ちゃんの人生にも影響を及ぼすことがあるのです。

通常、赤ちゃんの性別は妊娠17~20週程度でわかることが多いですが、妊婦健診でのエコーの際は、早くから赤ちゃんの性別を知りたいと希望する妊婦さんがほとんどです。赤ちゃんの性別は、女性や家族にとって赤ちゃんを迎える準備や育児に向けて、とても重大なことなのです。もし希望の性別を選べるならばそうしたいと願う女性も多く、産み分けのニーズは拡大しているといえます。 

妊婦さんがお腹を出して手を当てている

妊娠の仕組み

産み分けについて学ぶ時、初めに妊娠の仕組みを知ることがとても大切です。卵子と精子が受精をして子宮に着床すると妊娠が成立しますが、性別を決めるのは「性染色体」で「XX」が女の子、「XY」が男の子になります。卵子はX染色体のみですが、精子にはX精子とY精子があり、どちらが卵子と受精するかによって性別が決まります。よって、性別を決めるのは卵子ではなく男性側の精子です。妊娠というと女性が主体に思われがちですが、産み分けにおいては男性因子が決定権を持つため男性の役割も重大なのです。

男性側の精子の特徴

  • X精子‥Y精子と比較し数は少ないが、酸性に強い。寿命が長い。
  • Y精子‥X精子の2倍の数だが、アルカリ性で酸性に弱い。寿命が短い。運動性が高い。

 女性側の卵子の特徴

  • 女性の膣は普段は酸性で雑菌が入るのを防いでいるが、排卵前になると妊娠に備えアルカリ性に傾く。

それぞれの特徴を利用して産み分けに生かしていきます。

赤ちゃんの手

産み分けの方法

産み分けには男女それぞれに準備が必要です。

排卵日の特定

基礎体温を測定し、排卵日を特定します。3ヶ月程度のデータがあると排卵のパターンがわかりやすい。
排卵検査薬も一緒に使用するとより正確な排卵日が予測できます。クリニックでエコー検査を行うことも良いでしょう。産み分けに限らず妊娠を目指す女性は行うことをおすすめします。

禁欲期間の調整(精子の数の調整)

X精子とY精子は特徴が対照的であるため射精の回数を調整することで産み分けしやすい環境を作ります。

男の子がほしい場合・・・男性の精液中の精子を増やすため、受胎セックスの最低5日前まで禁欲してY染色体を増やしておきます。

女の子がほしい場合・・・精液中の精子の量を減らすため、生理が終了してから受胎セックス予定日の2日前までに最低でも2回は射精し、Y精子を減らしておきます。毎日のセックスは精液が薄く妊娠の可能性を下げるため避けた方が良いでしょう。

産み分けセックスの方法(シェトルズ法)

女性はオーガズムを感じると、強いアルカリ性の子宮頸管粘液がでます。膣内はもともと酸性ですが、セックス時に酸性の度合いが変化することで産み分けを行います。

男の子がほしい場合‥頸管粘液がアルカリ性に傾く排卵日当日に産み分けセックスを行います。オーガズムを感じるセックスで膣内の酸性度を弱め、深い位置で射精すことを推奨しています。

女の子がほしい場合‥排卵日の2日前(子宮頸管粘液が少なくまだ酸性の時期)に行う。膣内の酸性度を高くキープする必要があるため、あまりオーガズムを感じないようなセックスを行い、酸性の膣の中をできるだけ長く精子を泳がせ、Y精子を弱らせるため挿入が浅い体位を推奨しています。

産み分けのサポートアイテム

  上記の方法に加え、膣内の酸性度を人為的にコントロールするため、産み分け用のゼリーを用いて産み分けをサポートします。サポートアイテムは産み分けを行っているクリニックや「生み分けネット」で購入できます。

  • 女の子用のピンクゼリー‥膣内の環境を酸性に保つ働きをします。
  • 男の用のグリーンゼリー‥膣内の環境をアルカリ性に保つ働きをします。
  • リンカルS錠(男の子を希望する場合の体質改善サプリ)産み分け前の2~3ヶ月前から使用します。
手に錠剤を乗せている。奥にはコップに入った水。

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クリニックでできること

前述した産み分けの方法は家庭でも行うことができますが、クリニックでは血液検査や尿検査のほか、エコー検査をすることでより正確な排卵日の測定ができます。

また、日本で唯一許可されている産み分け医療にパーコール法があります。パーコール法は精子をパーコール液に入れ、遠心分離機にかけて、X精子とY精子を分別する産み分け法です。この方法は畜産の分野で牝牛を産ませるために考案されヒトの産み分けにも応用されるようになったといわれています。以前は日本産科婦人科学会による規制があったものの、2006年に安全性が認められ規制が解除となりました。

ただし自由診療になることと、精子を選別するため妊娠率を下げるリスクがあります。パーコール法は世界では90%近い産み分け確率と言われてますが、日本の研究ではまだ十分な成果が出ていないようです。

聴診器、データー、ボールペン

産み分けの前に妊娠できる体と心づくりを

産み分けを行うには自然妊娠ができることが前提です。日本は高齢出産や不妊治療を受ける女性は年々増加しています。妊娠出産のチャンスが少ないからこそ産み分けをしたいと思う女性もいますが、妊娠のチャンスを逃すリスクが高いため、後悔しないためにも何を優先するのか、パートナーとよく話し合って行った方が良いでしょう。

また、産み分け前後の避妊も必要なので、一般的に妊娠率は下がります。そのため産み分けに取り組める精神的な心と時間の余裕が必要です。

産み分けの確立を上げるためには毎月、規則正しい排卵があることが重要です。十分な睡眠、生活習慣や食事の改善、ストレスを溜めないことは妊娠できる体づくりにとって大切です。日頃のご自身とパートナーの生活習慣をもう一度見直してみましょう。

産み分けとパートナーシップ

妊活や産み分けはパートナーとの協力が欠かせません。前述したように産み分けは男性因子で決定するので、男性も産み分けの知識や理解が必要です。また、赤ちゃんを授かりやすい体作りは男性もとても大切です。産み分けについて2人の考えが一致しないこともあるので、ご夫婦でよく話し合い、長期的な人生計画をたてた上でトライできることが望ましいです。
産み分けに一緒に取り組み2人の絆を深めることができたら、その後の子育ても楽しく協力しながらやっていけるでしょう。

 終わりに

中 友里恵

赤ちゃんを授かることはそれだけで奇跡ですが、科学的な根拠があって安全な方法であれば産み分けにトライしてみたいと思う方は増えています。

ただし、妊活や産み分けは正しい知識を持つこと、そして自分の体の様子を知ることがとても大切です。妊娠の仕組みや排卵の状態を知らなければ時間を無駄にしてしまい、結果、妊娠が困難になる可能性もあります。

産み分けは倫理的なこともあり日本ではまだ議論される分野ですが、今後、研究や論文発表がすすみ、根拠が確立して安心安全に産み分けができることで、より幸せな女性が増える社会になっていくことを願います。

この記事を書いた人

中 友里恵

この記事を監修した人

坂口 健一郎