みくりさん(31歳)& そうすけさん(34歳)NO.45

体験者について

女性プロフィール
仮名:みくり
性別:女性
年齢:31歳
職業:助産師
趣味:パン作り、家計管理
妊活・不妊治療
1人目の治療
治療開始年齢:29歳
治療期間:1年半
タイミング法:◯
人工授精:5回
体外授精:1回

     

男性プロフィール
仮名:そうすけ
性別:男性
年齢:34歳
職業:電車の運転士
趣味:マラソン、アクアリウム
妊活費用
人工授精:5回92,610円
(自費3回、保険適用2回)
体外授精:1回244,210円
(採卵1回、SEET法、アシストハッチング法含む)


    
クリニック名:神戸ARTレディスクリニック
※以下のインタビューは、あくまでの卒業生の感想であり、登場する個人・法人に関する感想として、1つの参考情報として頂けましたら幸いです。
妊活・不妊治療中の方へ 応援メッセージ


検査をしないとわからないことっていっぱいあります。
私は卵管造影検査でピックアップ障害が疑われました。
残酷な事実で、時間はお金では買えません。

クリニックに行くことって抵抗感があると思いますが、全然怖い場所ではないし、むしろあなたの背中を押してくれる場所です。

妊娠に至るまでのどの過程でつまづいているのかをクリニックに通えば知れることがあるので、ポジティブに妊活を進めることができると思います。
クリニックに通えば、自分だけじゃなく意外にこんなにも同じように悩んでいる人がいるんだなと勇気をもらえます。

また、不妊治療は女性ばかりが内診や自己注射、内服、長い待ち時間などでストレスを抱えることが多く、一人だけで取り組んでいるような虚しさを感じる時があると思います。
夫婦で足並みが揃うように、クリニックに行った時に何をしたのか伝え、夫婦で話し合う機会をたくさん作ることが良いと思います。

どうしても男性よりも女性の方がしんどい思いをしていると思いがちですが、男性も街中で小さい子供を見るたびに感じるものがあるようです。
お互いを大切に思い合って、不妊治療へ取り組んでください。

インタビュー概要

2022年10月21日にみくりさんにお答えいただきました。不妊治療の辛さや戸惑い、仕事との両立など、ひとつひとつご自身で丁寧に向き合われ、ご主人と話し合いながら、より良くなる方法を考えながら一緒に取り組まれていらっしゃいます。助産師さんというお仕事をされ、治療を続けていらっしゃるみくりさんのお話は、悩んでいらっしゃる方の参考になることがいっぱいです。みくりさん、貴重なお話をありがとうございました。
子授かりネットワーク Koshi

質問:不妊治療を始められたきっかけを教えてください。

Koshi

治療をしようと思われたきっかけを教えてください。

みくりさん

助産師で夜勤のある仕事をしており、ホルモンバランスが乱れる生活になっていることや生理痛が強いことから自分の体は妊娠に向いていないと感じていました。

もともと妊孕力について知っており、時間だけは努力では返ってこないことや、婦人科外来もしており、医療に頼ることに抵抗感はなく、奇跡を待つのではなく、自分の体を知り戦略的に行動することが大事だと思ったからです。

質問:治療の流れを教えてください。

Koshi

治療の流れについて教えて下さい。

みくりさん

医療者であることは明かさずに婦人科に通い、ホルモン値 の採血や精液検査、タイミング療法 を目的に受診しました。

不妊治療経験者ならわかると思いますが、タイミング療法 はタイミングが命なので夫婦の価値観や認識のズレでタイミングがうまく取れずに泣く日々でした。

通水検査 、タイミング療法 4回後、人工授精 にステップアップ したいことを伝えました。
人工授精 は確立が低いですが、確実にタイミングが取れていることでストレスが軽減していました。しかし、3回しても結果は出ませんでした。

もともと妊娠に至る方法にこだわりはなく、早く妊娠したい思いで焦っていました。
婦人科クリニックは体外受精をしていなかったため、有名な不妊治療クリニックへ転院しました。

人気クリニックなことに加え、ちょうど保険適用の時期で、体外受精 をしたいのに予約待ちで辛い時間もありました。
体外受精 は自己注射や薬やテープなど身体的負担は増えますが、一歩ずつ妊娠に近づいているようで気持ちも明るかったです。

ステップアップ などは医師からの提案ではなく、私のメンタル的に自分から先生へ相談して進めていきました。

質問:クリニックを選ばれたポイントを3つ教えてください。

Koshi

クリニックを選ばれたポイント3つとその理由を教えてください。

みくりさん

働いている病院の先生のおすすめ
職場の先輩がそのクリニックで妊娠したこと
治療成績が良いことです。

質問:クリニックの良かった点を教えてください。

Koshi

クリニックの良かった点を教えてください。

みくりさん

平日に19時までに受付をすれば受診できること。
土日も午前診があること。
アプリで事前に予約を3つまで取ることができるため、前もって生理開始日を予測して予約ができること。
話しやすい雰囲気の先生が多いこと 。
治療成績が良いこと 。
駅から近く通いやすいこと。

質問:不妊治療以外で取り組んだことはなんですか?

Koshi

不妊治療以外で取り組んだことはありますか?

みくりさん

資格取得や趣味のパン作りに取り組みました。
頭の中が妊活ばかりになることでネガティブになると感じたため、強制的に考えない時間が増えるようにしました。

質問:大変だったことはどんなことでしたか?(検査・治療・お金・メンタル・仕事・・・)

Koshi

検査・治療・お金・メンタル・仕事などで大変だったことはどんなことでしたか?

みくりさん

タイミング療法をしている時は、毎日の基礎体温測定で一喜一憂し、おりものの変化や排卵検査薬、婦人科受診でタイミングを狙っているのに、夫は私の努力を裏切るように疲れてるから無理・・・と言われ何度も枕を濡らしていました。

みくりさん

努力しているのに、テレビでは不倫の挙句、中絶のニュースを見たり、電車でマタニティマークを見るたびに傷ついていました。

だんだん悲劇のヒロインみたくなっていく自分が嫌だけど、妊娠しないためどうにもならず、不妊治療に取り組んでいる人をインスタで見つけてお互いに励まし合っていました。

しかし、どんどん仲間は妊娠していくため、自分と似たような治療経過の方や同じクリニックで妊娠に至った方のブログを読み漁っていました。

みくりさん

体外受精前には、クリニックの体外受精の治療成績を何度も見て、自分を鼓舞していました。
友人に話したくでも、独身や結婚してるのか、子供を望んでいるのかなどで気軽に話していい話題ではなく、ネットで話す方がすごく気が楽でした。


また、不妊治療に取り組んでいることは何か意味があるんじゃないかと思うようになり、より一層夫婦の時間は今だけの大切な時間だと思うようになりました。

質問:お金について教えてください。

Koshi

お金について教えてください。

みくりさん

体外受精1回とTRIO検査・不育症検査で総額63万円です。

質問:治療を続ける秘訣を教えてください。

Koshi

治療を続ける秘訣を教えてください。

みくりさん

淡々と過ごすこと。
一周期ごとの期待と残酷な結果の受け止めで気分の浮き沈みが多いことが辛いため、淡々と冷静に波風たたずに毎日を過ごし、妊活でのストレスを溜めないようにすること。
ある意味残念な結果に慣れて、いちいち落ち込まなくり、前向きになるまでの切り替えが早くなりました 。

みくりさん

周りと比べないこと 。
自分の方が先に妊活を始めたのに、周りがどんどん産休に入ったり、大きなお腹を見るたびに落ち込むけれど、早い者勝ちでもないし、私には私のペースがあると信じていること。

周りと比べて落ち込むのは当たり前だけど、自分にとって得なことは一つもないと思いました。
比べるなら過去の自分とした方が有意義だと思えるようになりました。

質問:ご夫婦で話し合ったことはどんなことでしたか?

Koshi

ご夫婦で話し合ったことはどんなことでしたか?

みくりさん

結婚する前に子供が欲しいことや、もしどうしても無理な場合は里親なども考えることを話し合っていました。

年齢も若いため、不妊治療の終わりの時期や金額は決めずに取り組んでいます。

不妊治療を開始する時に、一冊本を買って卵子と精子の寿命や年齢の影響などを夫に説明し、妊孕力は取り戻せないため、お金よりも時間を大切にしようと積極的に治療しています。

また、フルタイムで夜勤ありの仕事に加え、不妊治療の通院や家事負担もあることで私のキャパがいっぱいいっぱいになり、話し合いの結果、退職しない代わりに家事は一切やらないで良いことになりました。

質問:夫婦のコミュニケーションで意識していたことはなんですか?

Koshi

質問:夫婦のコミュニケーションで意識していたことはなんですか?

みくりさん

「察して欲しい」というのは難しいため、ちゃんと言葉にして伝えること。

質問:お互いのサポートで嬉しかったことはなんですか?

Koshi

ご主人様のサポートで嬉しかったことはなんですか?

みくりさん

残念な結果で気丈に振る舞っている時に、「ちゃんと落ち込んでいいよ」と夫が言ってくれたこと。

話し合いの結果、夫が家事をメインでするようになったことです。

質問:ご夫婦で取り組んだことを教えてくだい。

Koshi

ご夫婦で取り組まれたことはなんですか?

みくりさん

朝はパンではなく、和食に変えたこと 。

妊活は夫婦で行うものなので、私が一人でクリニックへ行った後に、必ず夫から内容はどうだったか聞くように決めたこと 。

お互いシフト制のため、上司に妊活に取り組んでいることを伝え、シフトの融通が聞くように夫に部署移動してもらったことです。

Koshi

なぜ、その取り組みをしましたか?

みくりさん

パン食から和食へしたことは、 和食の方が品目を多く取れるため。腹持ちも良くなったし、朝から元気になっている気がします。

みくりさん

夫から内容を聞くことについては、 女性だけがクリニックに行くことの方が多いため、通院での体力的・精神的苦痛を共有したかったです。

一人で取り組んでいると思うと虚しくなるため、不妊治療がどのように進んでいるのか、どんな検査でどんな結果なのか主体的に知ろうとしてくれるため、私の精神的苦痛が減りました。

みくりさん

シフトの融通のため部署移動したことは、 お互いがフルタイムで不規則勤務の私達にとって、生理周期によって突然夫婦揃っての受診が必要なときに、仕事のせいで一周期逃すことが本当に辛かったため、上司への報告や相談はマストでした。

夫は自分でシフトが選べるようになったため、夫婦での受診日に上司や同僚に休みを調整するストレスが減りました。

質問:治療中のストレス解消方法について教えてください。

Koshi

どんなことでストレスを解消していましたか?

みくりさん

気の置けない友達と遊びに行ったり、夫と月一ペースで近くのホテルにご褒美として泊まることです。

質問:仕事との両立はいかがでしたか?

Koshi

お仕事との両立はいかがでしたか?

みくりさん

上司に不妊治療でどの段階まで進んでいるのか説明し、急に有給をもらいたい場合があることを伝えました。

また、勤務的に有給が難しい時は同僚とシフトの交渉をして、クリニック受診ができるように調整しました。
クリニックへは19時までに受付をすれば受診できるため、仕事の日でも受診ができるようになっています。

フルタイムの不妊治療はなかなかハードですが、上司に伝えることで少しは融通が効くようになると思います。
いろんなクリニックがあるためどこに通うか悩むと思いますが、まずは仕事後でも通えるかが大事だと思います。

クリニックで「明日も来てね」「仕事の調整は難しいと思うけど、治療するために通ってくれてるんだもんね」と言われる度に、仕事の両立で悩み、退職も頭によぎりましたが、周りの人の配慮で両立しながら通院を続けられています。

質問:勤務先の支援体制はいかがでしたでしょうか?

Koshi

勤務先の支援体制はいかがでしたでしょうか?

みくりさん

休みの調整・部署変更など 不妊治療はセンシティブな話題のため公で話していなくても、タイミング療法まで、人工授精までと経験している人は多く、上司に勇気を持って話すと応援してくれます。

質問:不妊の治療をされている方や検討されている方へのアドバイスをお願いします。

Koshi

不妊の治療をされている方や検討されている方へのアドバイスをお願いします。

みくりさん

検査をしないとわからないことっていっぱいあります。
私は卵管造影検査でピックアップ障害が疑われました。
残酷な事実で、時間はお金では買えません。

クリニックに行くことって抵抗感があると思いますが、全然怖い場所ではないし、むしろあなたの背中を押してくれる場所です。
妊娠に至るまでのどの過程でつまづいているのかをクリニックに通えば知れることがあるので、ポジティブに妊活を進めることができると思います。

クリニックに通えば、自分だけじゃなく意外にこんなにも同じように悩んでいる人がいるんだなと勇気をもらえます。

また、不妊治療は女性ばかりが内診や自己注射、内服、長い待ち時間などでストレスを抱えることが多く、一人だけで取り組んでいるような虚しさを感じる時があると思います。
夫婦で足並みが揃うように、クリニックに行った時に何をしたのか伝え、夫婦で話し合う機会をたくさん作ることが良いと思います。

どうしても男性よりも女性の方がしんどい思いをしていると思いがちですが、男性も街中で小さい子供を見るたびに感じるものがあるようです。
お互いを大切に思い合って、不妊治療へ取り組んでください。