太郎さん(29歳)& 花子さん(32歳)NO.16

卒業生について

男性プロフィール
仮名:太郎
性別:男性
年齢:29歳
職業:会社員
趣味:読書
妊活・不妊治療
1人目の治療
治療開始年齢:24歳
治療期間:4年

タイミング法:◯
体外授精:2回

     

女性プロフィール
仮名:花子
性別:女性
年齢:32歳
職業:専業主婦
趣味:読書
妊活費用
体外受精初回は採卵前に排卵してしまい16万円、2回目は40万円

    
クリニック名: セントベビークリニック神谷レディースクリニック
※以下のインタビューは、あくまでの卒業生の感想であり、登場する個人・法人に関する感想として、1つの参考情報として頂けましたら幸いです。
妊活・不妊治療中の方へ 応援メッセージ

ウソみたいな話かもしれませんが、私は小さなころに親が離婚しており、その当時から父がホームレスで母は知的障害者です。

いろいろと複雑なこともありましたがとにかく私は親が嫌いでした。

親を大切にするつもりなんてなかったし、助けるつもりもありませんでした。

ですがある時、「親(私)が親(父と母)を大切にしていなかったら、子どもも親を大切しない」という話を聞きまして、とても時間かかりましたが27歳にして「何があっても父親と母親を大切にする」って決めたんです。

するとウソみたいに翌月授かったんです。

当然、妻の頑張りが99%なのですが、本当に赤ちゃんが空から見ているとしたら、私が親を大切にしようと決めた決意も見てくれていたのかも知れません。私は目に見えないもの(超能力、オカルト、心霊現象)は信じませんが、「祈り」だけは効果があると思っています。

インタビュー概要

2022年3月21日に太郎さん&花子さんご夫婦にお答えいただきました。「思いつくことは全てやる。これが一番の秘訣だと思います」とお話されているようにご夫婦で相手を思いやりながら多くのことを取り組まれ、体外受精を経て、自然妊娠されました。太郎さんの心境の変化のお話もとても胸に響きました。
太郎さん&花子さん、貴重なお話をありがとうございました。
子授かりネットワーク Koshi

質問:不妊治療を始められたきっかけを教えてください。

Koshi

治療をしようと思われたきっかけを教えてください。

太郎

23歳で入籍してから毎月タイミングを取ってみるも半年間授からず、その後は排卵検査キットを使用するようになり、基礎体温も測りながらタイミングを取りますが、成果がありませんでした。

よくネットでも「半年以上自然に授からなかった場合は不妊」と目にしていたのもあり、治療が必要かもしれないと夫婦で思い始めました。

太郎

私が24歳、妻が27歳で「30歳までに一人目を産まないと後が大変」というのをよく親戚や周囲からも言われ、妻も焦りがあったように思います。

結婚前から子供は3人欲しいと夫婦で話し合っていたので、『ゆっくりとやるよりも、短期集中型で妊活しよう』と決意したのがきっかけです。

お互いに原因があるかどうかも不明だったので、「治療しよう」というよりは「何か原因があるかもしれないから調べてみよう」といった動機です。

質問:治療の流れを教えてください。

Koshi

治療の流れについて教えて下さい。

太郎

妻だけが検査してもらった結果、何も異常がなかったですし、酒やたばこ、身体に負荷のかかるスポーツや趣味もないため、まずはタイミング法を勧められました。

我々夫婦としては1年間ダメだった経験と、焦りが強かった為、「もうでも1年も授かってないんです、治療を始めたいのですが」と交渉しましたが「特に異常もない為、タイミング法であっさりできると思いますよ」と言われ、3か月限定でタイミング法に取り組みました。

生理が終わったタイミングで病院へ行き「〇日に排卵するので、タイミング取ってみてください」と指示され試みるもダメでした。

太郎


そこでようやく次のステップに移りました。
卵管も問題ないから人工授精じゃ意味ないので体外受精にしましょう」とのことで挑戦。

卵を育てる注射を病院からもらい、自宅で自分でお腹に注射します。
順調に卵が育ち、うっかり排卵しないように排卵止めの薬をもらいました。
言われたとおりに服用し、採卵当日に病院へ行くと「全て排卵している。今までで初めてのことです。ちゃんと排卵止めの薬は飲みましたか?」と言われ夫婦で泣いたのを覚えています。
そちらのミスだと言っても聞く耳も持たず。仕方なく別の病院に変更しました。

太郎


そちらのミスだと言っても聞く耳も持たず。仕方なく別の病院に変更しました。
妻の体への負担が大きかったので、失敗から3か月後のことです。

札幌で1番評判が良いと噂の病院にしました。ネットの口コミです。前の病院(セントベビークリニック)が体外受精30万なのに対し、神谷レディースクリニックは40万でした。

それでも授かるならと思い、受診。事情を説明し、まずは私の精液検査を行い、異常なし。
その後すぐに体外受精へ。同じ手順で卵を育て、念には念を入れて採卵日の3日前や1日前にも通院し、確認しました。当日に採卵した結果8個の卵が採取できました。

そして受精させることができそうなのが4つでした。4つ受精させた結果、2つが受精卵になり1週間の育成により2つとも成長することができず、身体に戻すまでに至らず、終了。40万でした。

質問:クリニックを選ばれたポイントを3つ教えてください。

Koshi

クリニックを選ばれたポイント3つとその理由を教えてください。

太郎

2か所受診したので両方お伝えします。

札幌市内で不妊治療するとなれば口コミから判断するとセントベビーか神谷レディースクリニックしかありませんでした。

セントベビークリニックは 1.家から近く、車を運転しない妻が1人で通いやすい 2.料金が安かった(神谷レディースクリニックが高かった) 3.口コミが良かった

神谷レディースクリニック 1.セントベビークリニックで対外受精を失敗した 2.札幌市内で一番口コミが良かった 3.ここしか残っていなかったです。

質問:病院の不妊治療以外で取り組んだことはなんですか?

Koshi

不妊治療以外で取り組んだことはありますか?

太郎

治療以外では主に体質改善に注力したので、毎日1時間のウォーキング、ホットヨガ、よもぎ蒸し、整体、お灸、食事制限(生ものを食べない、夏野菜など身体を冷やすものを食べない、アイスやお菓子等の嗜好品を食べない、カフェイン、添加物取らない)

子授けに良い神社巡り、風水的にオレンジとピンクが子授けに良いと聞き、家の中をオレンジやピンクに統一したり、前向きなことしか言わないようにしました。

質問:大変だったことはどんなことでしたか?(検査・治療・お金・メンタル・仕事・・・)

Koshi

検査・治療・お金・メンタル・仕事などで大変だったことはどんなことでしたか?

太郎

2回の体外受精失敗の後、噓のように自然妊娠しまして、それですべてが報われました。
正直それがなかったら今頃、離婚していたかも知れません。
妻が「私が30歳までに妊娠できなかったら離婚してほしい」と言ってきたからです。

理由は「子どもいないの?と聞かれる生活に耐えられないし、夫(私)に対する申し訳なさで精神的にもたない」とのことでした。
それほど追い込まれていたんだと思います。

検査や治療で辛いことはありませんでしたが、クリニックで号泣している人を見ると胸が苦しくなりました。
それから、体外受精の際に卵を育てる為の注射が痛く、妻が辛そうでした。

太郎


お金については、私が営業職で休みなく働いていたのもあり、そこまで負担には感じていませんでしたが、長期化してたらきつかったと思います。

なによりも大変だったのはメンタルです。
人それぞれ事情が違うので簡単に相談もできませんでしたし、うちの場合は検査で何も問題が見つからなかったので、ただ漠然と頑張るしかありませんでした。

ある日の出来事ですが、「今回こそはいけそうだね!」とお互い励まし合って、基礎体温が予定日を過ぎても高いままだったんです。
あと1日体温が下がらなければ検査薬使ってみる!とドキドキしながら翌日を迎え、体温が下がらなかったので慌てて検査をしましたが、陰性。
そのまま生理が来た日のことは今でも忘れません。何より子どもを見るのが苦痛でした。

質問:お金について教えてください。

Koshi

お金について教えてください。

太郎

初回の体外受精は途中で失敗し16万円。市の助成金の仕組みが初回30万円。2回目以降15万円だったので16万の為に初回の助成金を使うと損すると言われ初回は自腹。

2回目は40万かかり、市の助成金30万受給し自己負担は10万円。

その際に精子凍結もして保管料年間2万円でしたが、その後授かったので解約しました。
ネットで見つけた怪しいサプリメント(ライセイジュ海の一雫、大地の恵の2種)が月2万くらいしたと思います。
水天宮に行った飛行機代金なども全て含めたら150万程度だと思います。

質問:治療を続ける秘訣を教えてください。

Koshi

治療を続ける秘訣を教えてください。

太郎

思いつくことは全てやる。これが一番の秘訣だと思います。
東京の水天宮が子授けに良いと聞けば東京に行きましたし、効果があるのかわからない高額のサプリメントも飲みました(すぐ辞めましたが)。

いろいろチャレンジすることで時間の経過も早く感じますし、気休めだとしても「次こそは来るはず!」って思えます。

あとはストレスをなるべく遠ざけること。できるだけ子供のいないところへと考えて行ってました。(妻には特に言ってません)。
いっそのこと2人の時間を大切にしようと海外旅行にも行きました。

太郎

他にもたくさん工夫してきましたが、正直効果はどれもイマイチです。
どこに行っても子供は見ますし、友達が妊娠した情報もスマホに入ってきます。

妻の性格上やると決めたらやりきらないと気が済まない人なので、常に妊娠のことを考えて常にチャレンジして、毎回心が折れながらも何度も立ち上がってました。

私としてはとにかくそれを支えながら、ポジティブなことだけ言って励ましていたつもりです。「きっと空から赤ちゃんが見ていて、授かったら忙しくなるから今のうちに遊んでおけって言ってるんだよ」などとにかく明るく振舞ってました。
妻が言うにはそれ一番良かったとのことです。

質問:不妊治療についてご夫婦でどんなことを話し合われましたか?

Koshi

ご夫婦で話し合ったことはどんなことでしたか?

太郎

最初に「もしかしたら不妊かもしれない」と思った時に、ゆっくりタイミング法でいくのかできるだけ早く体外受精にするのかで話し合いました。

私としては一番早く、一番確率の高い体外受精を勧めました。妻は高額だけど・・・と最初戸惑っていましたが、納得してくれました。
金額については一切惜しむことなく使おうと決めていたので話し合いはしていません。

ただ、新たに何か始めようとするときは、妻から私に都度相談してくれました。
私は止めることはありませんでした。私が毎日仕事に追われていたのでまともなサポートは全然できていなかったです。
土日も働いていたせいで妻を独りにさせてしまい、悩むことも多く負担掛けてしまったと思います。

質問:不妊治療についてご夫婦のコミュニケーションで意識していたことはなんですか?

Koshi

コミュニケーションで意識していたことはなんですか?

太郎

辛いのはとにかく妻なので妻の気持ちを否定しないこと。まずは肯定すること。

花子

特にコミュニケーションで意識してたことはないです。自分のことで精いっぱいだった。でも不満を感じたことがないから夫が頑張ってくれてたんだと思います。

質問:奥様のサポートで嬉しかったことはなんですか?

Koshi

奥様のサポートで嬉しかったことはどんなことですか?

太郎

治療のほぼすべてが妻に負担のかかるものばかりだったのにも関わらず、毎日帰りの遅い私に対し文句も言わず、欠かさず家事をこなしてくれたことに感謝です。

記念日や誕生日にはご馳走を作ってくれたり、私が気分転換にと無理やり計画した旅行も楽しんでくれたり、今思えば逆に気を遣わせてしまっていたような気もしますが・・・。

妊活中、私の祖母が亡くなり頼れる親族もおらず、私と妻だけで自宅で家族葬を行い、すごく大変でした。
夜中に買い出しに行ったり、話したことも無い親戚と話したり、家の掃除したり、
中には「早く子ども作りなさい」とまで言われたり散々でしたが妻は最後までやり切ってくれて感謝しかありません。

質問:旦那様のサポートで嬉しかったことはなんですか?

Koshi

旦那様のサポートで嬉しかったことはどんなことですか?

花子

とにかく支えてくれた。私がやりたいことを最優先してくれたし、私が妊活に集中したいからとパートを辞める時も快く承諾してくれた。
バリバリ働いてくれたおかげですこし寂しい想いはしたけれども、挑戦したいことは全て背中を押してくれた。
私が神経質なので少し楽観的な夫の話や考え方が気休めになったし、気を紛らわせてくれました。

質問:治療中のストレス解消方法について教えてください。

Koshi

ストレス解消のコツを教えてください。

太郎

ストレス解消法は外食と旅行でした。静かなお店でイタリアンを食べたりもとてもよかったですが、海外旅行に行くとたくさん困るので、かなり長い時間妊活を忘れることができました。

質問:お仕事との両立について教えてください。

Koshi

仕事との両立はいかがでしたか?

太郎

結果として両立できたことにはなりますが、妊活を会社にきちんと伝えていなかったので、全く気遣いもありませんでしたし、どうしても平日の休みが必要になった時、初めて会社に伝えましたが、腫れ物に触るような対応で何も良いことはありませんでした。

Koshi

勤務先の支援体制はいかがでしたでしょうか?

太郎

残念ながら会社からも社長からも支援は一切なく、体外受精の日に有給休暇を取得しただけ。いつも朝8時から夜9時まで日曜と祝日以外働いていました。

質問:これから不妊治療を検討している人へのアドバイスをお願いします。

Koshi

不妊の治療をされている方や検討されている方へのアドバイスをお願いします。

太郎

ウソみたいな話かもしれませんが、私は小さなころに親が離婚しており、その当時から父がホームレスで母は知的障害者です。

いろいろと複雑なこともありましたがとにかく私は親が嫌いでした。

親を大切にするつもりなんてなかったし、助けるつもりもありませんでした。

ですがある時、「親(私)が親(父と母)を大切にしていなかったら、子どもも親を大切しない」という話を聞きまして、とても時間かかりましたが27歳にして「何があっても父親と母親を大切にする」って決めたんです。

するとウソみたいに翌月授かったんです。

当然、妻の頑張りが99%なのですが、本当に赤ちゃんが空から見ているとしたら、私が親を大切にしようと決めた決意も見てくれていたのかも知れません。私は目に見えないもの(超能力、オカルト、心霊現象)は信じませんが、「祈り」だけは効果があると思っています。

花子

なかなか授からない時に、友人からの妊娠報告や芸能人の妊娠ニュースを見るたびに落ち込んでいました。

なぜ私のところには赤ちゃんが来てくれないんだろう。
赤ちゃんが空から見てくれているとしたら私の何が良くないのだろう。

人の妊娠を心から祝福できないから?いつも悩んでいて泣いていて暗いから?そんなことをいつも自問自答していました。

同じ境遇の人もおらず、同窓会にも行きたくなくなり、子どもがいるようなショッピングモールにも行きたくなくなり、さらには実家にも顔を出したくなくなり、夫の優しさや気遣いも素直に受け取れず闇の底にいたような感覚でした。

夫の支えがなければ絶対に乗り越えられなかったと思います。言いたいことは全て言ってしまうのが一番の秘訣だと思います。