小野寺 寛典

胚培養士
治療内容を理解するお手伝いで不安を減らしたい
私はこれまで体外受精などの不妊治療を行うクリニックに勤めてきました。患者様に受精の状況やその後の培養結果を医師の補助的にご説明してきましたが、その中で強く感じた ことは、「患者様が治療を進める上で理解しなくてはならないことがとても多い」ということです。

妊娠の過程で起こる一連の流れを理解することは本当に大変な事だと思います。その中でも培養士の立場からわかりやすく丁寧な説明を心がけることで患者様の安心感に少しでもつながればと考えています。

私が培養士を志したときに母から言われたことがあります。「本当はあなたには弟ができる予定だったんだよ」。母から教えてもらったのは不妊治療に通っていたこと、通院だけでも辛いなか病院でお腹の大きな方を見て、その人は何も悪いことをしていないのにさらに辛い気持ちになったこと、流産した時にとてもお腹が痛くて支えがほしかったこと。私にとってはそれまで知らずにいた内容でしたが、きっと患者様の中にも言葉にしない思いを抱えている方が沢山いらっしゃるのだと感じました。

金銭的にも、体の負担も、心の負担も少なくない治療ですが、疑問を減らして少しでも安心して治療に望めるような情報を発信していきます。

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