必読!!子作り成功の3つのコツ

「子作りを頑張っているけどなかなか妊娠しない」「そもそも子作りってどうやるの?」と思われている方も多いのではないでしょうか。子作り成功のためにはルールとコツがあります。今回は子作り成功の3つのコツについてお伝えします。

子作りのコツ① 妊娠の確率を上げるための秘訣をマスターする

子作りは365日いつでも可能性があるわけではありません。妊娠には仕組みがあり、それを知らないまま子作りをしても空振りばかりで大事な時間がすぎてしまいます。妊娠の仕組みを理解することが、子作り成功の秘訣です。

  1. 膣内に射精された精子が膣→子宮→卵管を通り卵子を待つ
  2. 卵巣から排卵が起こる
  3. 精子と排卵をした卵子が、卵管膨大部で出会い受精をする
  4. 受精卵は細胞分裂を繰り返しながら卵管を通り、子宮内へ移動する
  5. 子宮に到達した受精卵は、子宮内膜着床し、妊娠が成立する

タイミングの取り方

子作りの身近な方法はセックスを行うことですが、セックスをいつするのか?というセックスのタイミングがとても大切です。子作りをクリニックに通わずご自身で行う際は「タイミング法」と呼ばれる方法が一番取り組みやすいです。これは女性の体と男性の体の仕組みを理解し、妊娠確率が高い排卵日前後の時期に夫婦生活を行うものです。

  • 排卵日

女性は毎月、排卵期と月経期を繰り返し、その周期は25〜38日と個人差があります。子作り成功の秘訣は自分の排卵日を予測して妊娠確率が高い日にセックスを行います。

排卵日の予測は、基礎体温排卵検査薬を使用します。これまでの研究結果では、排卵日の2日前が一番妊娠率が高いという報告もあります。

  • 期間

排卵日が予測できたら、排卵日前後に夫婦生活を持ちます。卵子の寿命は、排卵後約24時間、射精後の精子の寿命は約3日〜5日間ですが、7日間生きる精子もあると言われています。上記にも述べましたが、これまでの研究データでは、排卵日の2日前が一番妊娠率が高いと言われています。

本来、セックスの頻度は夫婦によって異なると思います。2人が心地よく過ごせているのであれば普段のセックスの頻度は問いませんが、子作り成功を目指すには、排卵日周辺にセックスをおこなうことが重要です。

  • 頻度

日頃から週に3〜4回のセックスを行っている場合、排卵日を気にせず続けてもらうことで妊娠の確率は上がってきます。少なくとも、排卵日の1週間前からは2〜3日に1回程度の頻度でセックスを行うと良いでしょう。排卵日の2日前が一番妊娠確率が高いとされていますが、排卵日が多少ずれていたとしても、卵子と精子の寿命を考慮すると2〜3日に1回タイミングが取れれば常に精子が待ち伏せしていくれている状態を作れることになります。

手術や予防接種後はいつから子作りが可能?

卵巣にできる良性の腫瘍を卵巣嚢腫といいます。卵巣嚢腫は必ずしも不妊の原因になるとは限りませんが、子宮内膜症からのチョコレート嚢腫などは不妊症の原因になることも多いです。卵巣嚢腫は自然に経過を見ることもありますが、卵巣嚢腫の種類や大きさによっては妊娠の妨げになったり、妊娠中に卵巣が捻れてしまったりすると大変なので、事前に摘出することがあります。

腹腔鏡を用いた腹腔鏡下手術を行うことが多いです。腹腔鏡下手術では、お腹に小さな穴を数か所あけ、腫瘍の摘出を行います。腹腔鏡下手術は手術による傷が小さくて、手術後に早期回復ができるメリットがあります。腫瘍の様子によっては開腹手術を行うこともあります。

手術後は、約3ヶ月後から妊活の許可を出すクリニックが多いようですが、経過によって時期は異なるでしょう。卵巣嚢腫を指摘されたら、治療を行うべきかどうか医師ともよく話をすると良いでしょう。また、下腹部の違和感や痛みなどがある場合は早めにクリニックを受診しましょう。

妊娠初期の妊婦さんが罹患すると風疹ウイルスが胎児に感染し、先天性風疹症候群を引き起こすことがあります。3大症状に白内障、難聴、先天性心疾患があります。この病気は妊婦さんに免疫があれば予防できる病気です。よって子作りを考えたら風疹ウイルスの抗体があるかどうか事前に調べておき、抗体がなければワクチンを摂取することが推奨されています。

女性側だけでなく、男性も抗体を調べておき、抗体がなければワクチンを打つことで女性に罹患するのを予防することができます。男性がワクチンを打った場合は避妊は必要ありませんが、女性が風疹ワクチンを打つ際にはその後2か月の避妊が必要ですので注意しましょう。

精索静脈瘤とは男性の​​精巣やその上の精索部に静脈瘤(静脈の拡張)ができることをいいます。男性不妊の方の40%以上が精索静脈瘤が原因となっています。手術は日帰りで行うことができます。手術後は、手術をすることで7割近くの方が精子所見の改善がみられたと報告しているクリニックもあります。

術後の性交再開は1週間後から可能とされていますが、精子所見が改善されているかどうかの検査は手術から約3か月後が望ましいとされています。理由として精子は約3ヶ月かけてゆっくり作られているものだからです。その所見によって今後の子作りの方針が決まってきます。手術後に自然妊娠に至る方もいますし、人工授精体外受精が望ましい方もいます。経過をみながら医師とよく話をしていくことが大切です。

2人目は?

一般的には、産後は子宮の回復や体力の回復、育児なども考慮し、産院では1人目の出産後、次の妊娠までの期間を1年はあけましょうと指導することが多いです。特に帝王切開後は次回の妊娠まで1年以上は空けるようにお伝えしています。切迫子宮破裂などのリスクが上がるためです。

しかし、年齢や家族計画によっては2人目の子作りを急ぎたい方もいると思います。1人目の育児をしながらの妊娠は家族の協力が不可欠ですので、パートナーともよく話し合っていきましょう。授乳中はプロラクチンというホルモンが分泌されています。これは排卵を抑制するホルモンなので、母乳育児をしている方は生理の再開や排卵の再開が遅れることが多いです。

生理が再開しても数ヶ月は周期が不安定なことも多く、タイミングがわかりにくいこともあります。また、不妊治療を考えている方は、断乳後に生理が再開してから通院となることが多いので、2人目の子作りのタイミングはよく考えておく必要があります。

1人目の時にスムーズに子作りが出来ても、2人目がスムーズにいくとは限りません。1人目を40代の時に妊娠したのであれば、2人目を急ぎたい気持ちもよくわかります。1人目から不妊治療を行っていた場合、採卵だけでもして凍結しておきたいという方も多いです。すでに凍結している受精卵がある場合も、いつ戻すのかなども医師やパートナーとよく話をすることは大切です。

40代の場合は?

40代の場合、子宮や卵巣に明らかに不妊となりうる原因がなくても、年齢が上がることで卵子の質が下がってきて妊娠率は下がります。40代で子作りを行う場合、遅くとも半年間、自然妊娠に至らないようであれば、クリニックの受診を検討してください。

パートナーが40代である場合、男性も生殖機能の低下が起こってくると言われています。ご自身の年齢や、子作りにどのくらいの費用や治療を行っていくのかを事前に相談しておくことが望ましいです。

子作りのコツ② 悪影響があるものを避ける

妊娠は自分の体でおこるものです。妊娠しやすい体作りは男女ともに大切です。日頃の生活環境を見直して、夫婦で協力していきましょう。

食事

子作りを始めたら、日頃の食生活について見直してみましょう。栄養バランスは取れているでしょうか。忙しい日が続くと、朝ごはんを食べない。コンビニなどで済ませる。外食が続くなど食事が不規則になったり栄養が偏ってしまうこともあるかもしれません。タンパク質やビタミン、ミネラルは妊娠にとって大事な栄養素です。

また、子作りを考えたら摂取しておきたい栄養素は「葉酸」です。赤ちゃんの細胞分裂に関わり、二分脊椎という病気も防ぐことができます。妊娠の1か月以上前から1日400μgを摂取するのが望ましいと言われていますが、食事だけでは不足しやすいのでサプリメントの活用も良いでしょう。また、男性は亜鉛の摂取が精子の所見を改善する効果があるので、ぜひ取り入れてください。

運動

適度な運動は、体の血液の流れを良くし、子宮や卵巣にも血液が行き渡るので妊娠しやすい体作りに繋がります。また、血流が良いと子宮内膜も受精卵が着床しやすい環境に整えてくれます。運動をしたり筋肉をつけると体温が上がり基礎代謝量が増えるので、体のエネルギーが増加して血流を促進します。

基礎代謝をあげるにはウォーキングなどの有酸素運動が良いとされています。激しい運動は活性酸素が出てしまい細胞を壊してしまいますので、ヨガやストレッチなどゆったりとした運動を継続していくことが大切です。

また筋肉をつけることは大切ですが、月経や排卵には脂肪も大切です。激しい運動を行っていると月経が止まったり無排卵になっていることもあります。よって痩せすぎても肥満であっても妊娠しづらくなってしまいます。適切な体型を維持していくことがとても重要です。 

生活習慣

子作りは2人で協力して行うことなので、男女ともに生活習慣を見直すことが大切です。

睡眠不足やストレス過多の生活は卵子や精子の健康度を下げる可能性があります。規則正しい生活を送り心身ともに健康に過ごすことは子作りをする上でとても大切です。

アルコール

  妊娠中のアルコール摂取は胎児の発育に影響を及ぼすため禁止ですが、妊娠に気づく時期には胎児の器官形成期であるため、妊活中から控えていくことが重要です。また、男性も過度のアルコール摂取は精子所見にも悪影響が出るため、なるべく控えていきましょう。

排卵日前後の飲み会などでタイミングがとれないと悩む女性も多いのが現状です。タイミングを逃すと次のチャンスは1ヶ月後になってしまいます。男性も飲酒を控え体調管理を行いつつ、事前にお互いのスケジュールの共有をしておくと良いでしょう。

子作りのコツ③ パートナーシップを深める

子作りには、パートナーシップが欠かせません。普段のスキンシップは、幸せホルモンである「オキシトシン」を分泌させます。オキシトシンはセックスだけでなく手を繋いだりハグをすることでも分泌されます。日頃からお互いがリラックスして心地よいパートナーシップを築いていくことは子作り成功の秘訣になります。

また、家族計画についても子作りを始める前によく話し合っておくことが大切です。子作りの時期や期間、自然妊娠が難しい場合はどの治療まで行うのか、かけられる費用はどのくらいかなど夫婦で考えをすり合わせていくことが、ストレスなく子作りを行う秘訣になります。また、子作りをしながら思ったことや辛いことなどは我慢せずに伝えていけると良いですね。

助産師からのメッセージ

中友里恵

子作りというのは言葉だけ聞くと簡単そうですが、男女ともに体の仕組みを理解し、子作りしやすい体作りや環境を整えていくことが大切です。「子作りがうまくいかない」時には、もう一度、生活環境を見直してみましょう。そして、パートナーとよく話し合い協力していくことも重要です。

以前、夫が協力してくれないという相談があったのですが、よく話を聞いてみると、ご主人は女性の体のことや、男性にも不妊の原因があるということを知らなかったそうです。協力していないのではなく、何をしたら良いかわからないので女性に任せてしまうという男性もいますので、妊娠の仕組みについても夫婦で共有しながら学んでいけると良いですね。

この記事を書いた人

中 友里恵

この記事を監修した人

坂口 健一郎