【授かりサイン】着床したかどうかを見極める方法

妊娠 を待ち望む方にとって、 受精卵子宮内膜に定着する「 着床 」は重要な出来事です。しかし、着床は目に見えないため、自分が妊娠しているのかどうかを確認するのは難しいですよね。そこで、この記事では着床したかどうかを見極める方法について解説します。

着床とは?

着床 は妊娠の重要な段階であり、受精卵 が子宮内膜に定着する過程です。受精が行われると、受精卵は卵管を通って子宮に向かいます。その後、子宮内膜の一部に受精卵が接触し、定着することで着床が成立するのです。

受精卵が子宮内膜に定着する過程

受精卵が子宮内膜に定着する過程は以下のように進みます。

  1. 受精:卵子 と 精子 が出会い、受精 が起こります。
  2. 子宮への移動:受精卵は卵管を通って子宮に向かいます。
  3. 子宮内膜への接触と定着:受精卵が子宮に到達すると、子宮内膜の上皮細胞と接触し、受精卵が子宮内膜に定着します。

以上が着床の過程です。着床に成功すると、胎盤の形成が始まり、赤ちゃんが成長するために必要な栄養や酸素が供給されます。着床は 妊娠 の重要なステップであり、正常な着床が行われることで妊娠が成立となりますが、着床にはタイミングや子宮内膜の状態などさまざまな要素が関与しています。妊娠を希望する方は、健康な子宮内膜を維持することや、適切な受精のタイミングを把握することが大切です。

着床の兆候:どんなサインがある?

着床が進行すると、女性は身体の変化やサインを感じることがあります。個人差はありますが、主な兆候について解説します。

出血やおりものの変化

着床に伴い、軽い出血や おりもの の変化を経験する方もおられるでしょう。これは、受精卵が子宮内膜に定着する際に起こる一時的な現象です。軽い出血は着床出血と呼ばれます。子宮内膜に受精卵が着いた時に軽く傷がつくと、軽いピンク色や茶色のおりものとして現れます。通常は数日で終わるでしょう。ただし、出血が激しい場合や続く場合には、医師に相談することが重要です。

おりものはホルモンの変化により、性状が変わることがあります。通常、おりものは透明でですが、着床後は乳白色に変化したり、さらさらとしたり、ネバネバとしたりいつもと違う感じを持つこともあります。 

高体温期の延長

通常、排卵後の基礎体温は上昇し、生理の数日前には体温が下がります。しかし、受精卵が 子宮内膜 に 着床 した場合、体温が通常よりも高い状態が延長され生理が止まります。これは子宮内膜を着床しやすいように整えるプロゲステロンというホルモンが多く分泌されることにより、体温を上昇させているからです。基礎体温グラフ上で高体温期が通常よりも長く続いている場合、着床が起きている可能性が高いと考えられます。

ただし、高体温期の延長は他の原因によっても影響を受けることがあります。ストレス、体調の変化、環境の影響などです。そのため、高体温期の延長だけで妊娠を確定することはできません。総合的な観点から他の妊娠兆候や医師の診断と組み合わせて判断することが適切なので医師にご相談ください。

【授かりサイン】着床したかどうかを見極める方法

着床後のタイムライン:いつから兆候が現れる?

着床は受精卵が子宮内膜に着く過程であり、妊娠の重要なステップです。一般的な着床後の流れと兆候について見ていきましょう。

着床完了までの期間

 着床 完了までの期間は、受精後の受精卵が子宮内膜に移動し、そこに定着するまでの時間を指します。受精卵は 受精後 、卵管 を通って子宮に向かいます。子宮内膜 は受精卵が定着できる状態になっている必要があります。

一般的に、受精後の6〜12日目に受精卵が子宮内膜に着床完了するとされています。この期間は個人によって異なる場合がありますが、一般的な目安として使われています。着床完了までの期間中には、子宮内膜の厚みや状態が変化し、受精卵が栄養を得るための環境が整います。また、着床が完了しても必ずしも妊娠が確定するわけではありません。確実な診断や妊娠の確認は医師に相談することが重要です。

兆候が表れるまでの時間

着床の兆候が現れるまでの時間は個人差がありますが、一般的には妊娠3週の時に表れることが多いです。最終月経の開始から2週間前後で排卵が起こります。受精卵は5日ほどで子宮の中に到着して、1週間ほどで子宮内膜に入り、着床します。つまり着床時点では妊娠3週になります。着床出血は着床後1,2日で表れることが多いです。おりものや体調変化などは着床後1〜2週間目のことが多いようですが、個人差がありますので、参考程度にしてください。

引用)日本生殖医学会 妊娠はどのように成立するのですか?

着床後の体調変化:どんな症状が出る?

妊娠後、受精卵が子宮内膜に定着する着床の過程では、女性の体に様々な変化が現れます。この体調変化は妊娠初期の兆候として知られており、妊娠のサインとしても知られていますので注意してみましょう。

つわりや乳房の張り

つわり は、妊娠初期に特に多く見られる症状です。吐き気や嘔吐などを伴います。つわりの程度や症状の出方は個人差がありますが、着床後1〜2週間目からつわりの兆候を感じ始める方が多いようです、乳房の張りや敏感さも一般的な症状であり、着床後1〜2週間目から現れることがあります。

疲労感や睡眠の変化

着床後の妊娠初期には、多くの女性が疲労感や睡眠の変化を経験します。これは妊娠に伴う身体的な変化やホルモンの影響によるものです。疲労感は、妊娠初期に特に顕著に現れる症状の一つです。妊娠により代謝が活発化し、エネルギーを赤ちゃんの成長に使うため、体内のエネルギー消費が増えます。その結果、日中に疲れや眠気を感じやすくなることがあります。また、妊娠中は血液の量が増加し、酸素や栄養素を胎児に届けるために心臓や循環系が負担を受けます。これにより、疲れやすさが増し、身体のリズムが変化することがあります。

睡眠の変化も妊娠初期に現れる兆候です。妊娠によりホルモンの分泌が変化し、体温や睡眠覚醒サイクルが影響を受け、妊娠初期に深い眠りが増えたり、眠りが浅くなったりすることがあります。また、頻尿や胃酸の逆流などの身体的な不快感も睡眠を妨げる要因となることもあるでしょう。これらの変化により、睡眠の質やパターンが変わることがあります。

疲労感や睡眠の変化は妊娠初期に一時的に現れるものであり、多くの場合、妊娠が進むにつれて改善される傾向があります。疲労感が強くなり日常生活に支障をきたす場合や、睡眠の問題が深刻である場合は、医師と相談することがおすすめです。

【授かりサイン】着床したかどうかを見極める方法

着床を確認する方法

着床を確認するためには、一般的に、妊娠検査薬の使用や医師による診断が利用されます。以下では、それぞれの方法について詳しく解説します。

妊娠検査薬の使用時期と正しい使い方

妊娠検査薬は、自宅で妊娠の有無を確認するために利用される一般的な方法です。検査薬は尿中の妊娠ホルモンである 人間絨毛性ゴナドトロピン( hCG )の存在を検出します。しかし、着床後からhCGが体内に分泌されるまでには時間がかかるため、正確な結果を得るためには妊娠検査薬は月経予定日の約1週間後から使用することが推奨されます。

検査薬の使い方は、各製品によって異なる場合がありますので、付属の説明書をよく読み、正確な方法で行うことが重要です。一般的には

  1. 妊娠検査薬に尿をかけます。朝の最初の尿を使用することで、より正確な結果が得られる場合があります。
  2. 水平に置いて待ちます。判定終了のサインが出ますので目安としてください。
  3. 検査結果を確認します。判定する窓にサインが出る検査薬が多いですが、それぞれ違うのでよく確認してください。判定するサインが薄くてどちらか判断できない場合もありますので、その場合は数日後に再度検査を実施してください。

医師による診断

医師による判断は、妊娠の確認や 着床 の状態を正確に評価するために不可欠です。医師は豊富な知識と経験を持ち、専門的な診断手法を駆使して患者の状態を判断します。血液検査による hCG の測定や超音波検査による胎児の観察など、科学的な手法を用いて妊娠の確認や発展状況を評価、病歴や身体検査をもとに患者の状態を総合的に判断し、妊娠の進行に合わせて必要な検査や追加的なケアを適切に行い、患者の健康と胎児の発育を最善の状態に保つ助言をします。

医師の役割は単に妊娠の確認だけではありません。妊娠中の患者の健康管理や症状の管理、予防策の提案など、全体的なケアを行います。患者との信頼関係を築きながら、安全で健康な妊娠をサポートするために尽力します。妊娠に関する正確な情報を得るためには、医師の専門知識と経験に依存し、定期的な診察や相談を受けることが重要です。医師の指導のもと、安心して妊娠期を過ごすことができるでしょう。

【授かりサイン】着床したかどうかを見極める方法

専門家から

妊娠を待ち望む方にとって、着床の確認は喜びや不安を抱える瞬間です。着床という神秘的な過程は、受精卵が子宮内膜に定着し、赤ちゃんの成長につながる途上です。この特別な時期には、体や心に様々な変化が現れます。つわりや乳房の張り、疲労感や睡眠の変化が現れることがあり、この時期は心と体の変化に対する理解とサポートが必要です。着床の兆候や体調の変化を観察しながら、自身の感じるサインがあれば、医師に相談し確認をしてください。素敵な妊娠を迎えられるように準備していきましょう。

この記事を書いた人

東岡 えりこ

理学療法士
医療ライター