『胚培養士✖️助産師 特別対談Vol.7』【男性不妊!不妊治療は夫婦で取り組む!)】精子の特徴と精液検査の方法

不妊治療をするときに出てくる悩みや不安・・。調べてみてもわからないことばかり・・・。ゆっくり聞いてみたいけれど、先生やスタッフさんはいつもお忙しいそうで、「こんなこと聞いていいのかな?」「恥ずかしいな」そんな気持ちがめぐって、今日も聞けなかった経験があると思います。今回はそんなお悩みに、子授かりネットワークを運営している「胚培養士」と「助産師」が8話に渡って対談形式でお答えます。第7回目は良い精子の特徴と精液検査の方法や注意点、健康な精子を作るために日常生活で気をつけていくことをお話しします。

精子はとてもデリケート。正しい精液検査と健康管理が大切!

これまで卵子受精卵の話をしてきましたが精子の役割もとても大切ですよね。小野寺さんからみて元気な精子はどのような見た目をしているのでしょうか?

小野寺

私たちが観察するときは大きく分けて2つあります。運動率の良さと、形の綺麗さです。精子の形を簡単に説明すると、頭の部分と首の部分、しっぽの部分のそれぞれの形の綺麗さをみて良い精子と判断しています。

見た目で判断するのですね。精液検査をするときに、朝に提出することもあると大変じゃないかなと思うのですが、どういったスケジュール管理や体調管理をしたら良いのでしょうか?

小野寺

おっしゃる通りで人工授精採卵の際はご主人に朝一番のご提出をお願いすることも多いかと思います。

朝一番はコンディション面でも大変ですよね。ただ、大切な周期一度の機会ですので、なるべくコンディションを整えて臨んでいただけると良いのかなと思います。

精液検査のみの場合は、時間の指定もないこともあるのですか?

小野寺

そうですね。クリニックさんの予約の状況にもよるかとは思います。朝一やお昼、夕方の場合もあるかもしれないですね。

精子は外の環境の影響も受けやすいと聞きます。
クリニックには採精室があると思いますが、今のご時世的に自宅で採精することが多いと思いますが、クリニックに持っていくときのポイントなどありますか?

小野寺

各施設によって医師から採精してから持ってくるまでのお時間の指定があると思いますので、時間内に持ってきていただくことが大事です。

あとは、冬場は周りの空気が冷たいですよね。精子も冷たくなってしまうと良くないので、適度の温度を保って持ってきていただくと良いと思います。

逆に熱くても良くないので、適切な温度で指示通りに持ってきていただくことが良いと思います。

採精する容器は自分で用意しないといけないのでしょうか?

小野寺

各病院で決まっているものがあると思うのでそちらでとっていただくことになると思います。

精子は熱には弱いとは聞きますが寒すぎてもよくないのですね。

小野寺

そうですね。寒すぎても精子の運動率が低下することが言われているので、なるべく精巣の温度に近い状態で持ってきていただくことが大事ですね。

精液検査は何回か行うことがあると思いますが、体調によって精子の所見は変わりますか?

小野寺

そうですね。体調によって結果が変わる可能性もなくはないし、逆に体調が同じでも検査するときによって良かったり悪かったりはあると思います。

精子はすぐに作られるわけではなく、2〜3ヶ月くらいの時間をかけてゆっくりと作られていくんですね。

例えば「今日提出しました」という精子は2〜3ヶ月前に作られているものなので、そういう部分も影響しているかもしれないですね。

今の自分の体調だけではなくて2〜3ヶ月前の体調も反映されているということですね。

では妊活や不妊治療をしていく上で、今日から体調管理に気をつけて、より良い精子が取れるように努力することはできるということですね。

小野寺

そうですね。食事や睡眠ストレスを溜めないなどいろんなことがありますが、生活習慣に気をつけることで、精子の所見が改善する可能性はあると思います。

女性だけでなく男性も体調管理は大切ですので、ご夫婦2人で取り組むことが大切ですね。

【男性不妊!不妊治療は夫婦で取り組む!)】精子の特徴と精液検査の方法

良い精子の特徴と精液検査の方法や注意点、健康な精子を作るために日常生活で気をつけていくことをお話しします。

登壇者の紹介

胚培養士: 小野寺寛典

助産師:中 友里恵

  • 専門分野:妊活 不妊治療 妊娠期 分娩期
  • 学会・資格:助産師国家資格 看護師国家資格

この記事を書いた人

田村 由美

子授かりネットワーク 編集長