『胚培養士✖️助産師 特別対談Vol.8』【不妊治療、妊活中の男性の心得!】最強のパートナーシップの構築方法

不妊治療をするときに出てくる悩みや不安・・。調べてみてもわからないことばかり・・・。ゆっくり聞いてみたいけれど、先生やスタッフさんはいつもお忙しいそうで、「こんなこと聞いていいのかな?」「恥ずかしいな」そんな気持ちがめぐって、今日も聞けなかった経験があると思います。今回はそんなお悩みに、子授かりネットワークを運営している「胚培養士」と「助産師」が8話に渡って対談形式でお答えます。第8回目は不妊治療中のモチベーションの保ち方、女性側の負担に配慮した男性側の気持ちの持ち方、妊娠後にも続く最強のパートナーシップの構築方法についてお話しします。

男女の特徴を生かす!お互いを思いやるパートナーシップは妊娠への近道

これまで技術的なお話をたくさん教えていただきましたが、不妊治療はご夫婦それぞれができることをおこなったり、協力や信頼関係が欠かせないかなと思います。


妊娠出産は科学的な部分もありますが、お仕事をしていて、神秘的だなとか生命力ってすごいなと感じることはありますか?

小野寺

ありますね。
一例にはなりますが、私たちは受精をした後、卵をお預かりしているわけですが、受精卵が途中までゆっくり育っていてなかなか成長が難しいかなと思っていても、その後大きく成長して胚盤胞になって卵を凍結するところまで行きましたよということがあったりするので、そのときは神秘的だなと思ったりします。

小野寺

中さんはそのような経験はありますか?

はい。私はこれまで妊娠後の方のサポートが多かったのですが、切迫早産といって赤ちゃんが生まれてしまいそうな状態で、今日明日にでも生まれそうなケースであっても正期産までお腹で育ってくれて無事に出産できたり、
分娩中に赤ちゃんの心拍が下がって心配していても元気に生まれてきてくれる場面に立ち会って、赤ちゃんの力や生命力の強さを感じることが何度もあり、本当にいつも赤ちゃんと女性の力、妊活中では未来の赤ちゃんの力は本当にすごいなと元気をもらっていました。

小野寺

僕は不妊治療を終えた後、患者さんがどのような形で出産まで至ったかは、やはりどうしても知る機会が少ないので、今聞くことができて嬉しかったです。

小野寺

僕からも聞きたいことがあって、やっぱり不妊治療は通うだけでもストレスになりますし、お仕事との両立などでも悩まれると思うのですが、不妊治療との向き合い方、心の持ち方についてこういう風にすると良いよなど、何かアドバイスはありますか?

そうですね。モチベーションを高く持つってすごく難しいですよね。

不妊治療は心も体に負担が出ることも多いので。そのときに無理に気持ちをあげたりポジティブに考えすぎる必要もない良いようにおもいます。
モチベーションを高く持たないと妊娠できないみたいな風に思われている方もいると多いと思うんですよね。

疲れたときは気分転換をしたり、ご主人と美味しいものを食べたり、自分にご褒美をしてあげても良いと思います。
「なんでママになりたいんだろう」と考えることも大事だと思います。

不妊治療をしていると、「妊娠しなきゃいけない」という気持ちになって、自分の心が置き去りになってしまうこともあります。「なんで妊娠したいんだっけ。ママになりたいんだっけ?」と振り返ってみて、わからなくなったら休んだり他のことを楽しむ時間が必要なときもあります。


不妊治療の方法の正解はないと思うので、自分がいつも幸せでいられる選択が妊活中も妊娠後も大事かなと思います。

小野寺

例えばお産にも通じるかもしれませんが、不妊治療は女性側の心と身体の負担がとても大きいと思います。
同じ男性としてご主人の気持ちの持ち方で大事だと思われることはありますか?

物理的に男性は妊娠はできませんが、大切なことは男性も自分事として捉えるという意識だと思います。
妊娠は卵子と精子の受精ですから男性と女性の役割は半々です。情報収集や、健康管理など男性にもできることはたくさんあるんです。

不妊治療は難しい用語や複雑な治療内容なときもあります。一緒に話を聞いたり理解する姿勢はとても心強いし嬉しいと思います。

男性は妊活について女性よりも周囲に話せなかったりすることもあるので、気持ちを溜め込んでしまうこともあります。
女性側も男性が話したり聞きやすい雰囲気を作り、気持ちを引き出してあげることも大切かと思います。

男性は用語やデータ的なことを知ったり学ぶことが女性よりも好きなのかなと感じます。
なので検査内容や結果を一緒に共有すると話しやすいし、入りやすいと思います。

一番大事なのはお互いの思いやりですよね。

小野寺

2人でおこなっていくものですものね。

そうですね。妊活中からパートナーシップがうまくいくと、妊娠後にも良いパートナーシップが続くのででぜひ大事にしてもらいたいですね。

【不妊治療、妊活中の男性の心得!】最強のパートナーシップの構築方法

不妊治療中のモチベーションの保ち方、女性側の負担に配慮した男性側の気持ちの持ち方、妊娠後にも続く最強のパートナーシップの構築方法についてお話しします。

登壇者の紹介

胚培養士: 小野寺寛典

助産師:中 友里恵

  • 専門分野:妊活 不妊治療 妊娠期 分娩期
  • 学会・資格:助産師国家資格 看護師国家資格

この記事を書いた人

田中 由美

子授かりネットワーク 編集長