『胚培養士✖️助産師 特別対談Vol.6』【胚移植までの待機場所】受精卵の凍結保存方法

不妊治療をするときに出てくる悩みや不安・・。調べてみてもわからないことばかり・・・。ゆっくり聞いてみたいけれど、先生やスタッフさんはいつもお忙しいそうで、「こんなこと聞いていいのかな?」「恥ずかしいな」そんな気持ちがめぐって、今日も聞けなかった経験があると思います。今回はそんなお悩みに、子授かりネットワークを運営している「胚培養士」と「助産師」が8話に渡って対談形式でお答えます。第6回目は卵子と精子を受精させた受精卵胚移植まで凍結保存されますが、どのような場所で保管され、安全管理がされているのでしょうか?気になっていたけれどなかなか聞けなかったことを胚培養士が詳しくお話します。

卵子や受精卵の保管方法と安全管理の対策が知りたい!

卵子や受精卵を育てるお部屋の安全管理が医療者としては気になります。患者さんも気になるところではあると思いますが、実際はどんなお部屋ですか?

小野寺

卵を管理しているお部屋は培養室が一般的かなと思います。受精卵は凍結保存という形で保管されるわけですが、一例でいうと、卵はものすごく小さいので、棒状の板のようなところに、少量の培養液と一緒に保管されていたりします。

患者様の診察券番号やお名前が記載された器機に保管されていることが一般的です。

複数の受精卵がある場合にもどの卵か識別出来るように保存されていることが多いかと思います。

それが筒のようなものに入っていて、その一つ一つが患者様専用に保管されることで他の方と一緒にならないような安全対策が取られています。

お部屋は寒いのですか?煙がもくもくしているような寒い場所でお仕事をされいるイメージです。

小野寺

実際には作業のお部屋は室温ですが、卵を保管しているところは、液体窒素で満たされた凍結タンクというものの中に入っています。

そのタンクの中は−196℃です。耐震補強の措置も取られていたり鍵もかけられています。

患者さんはそのお部屋に入ったり見ることはできるのですか?

小野寺

入ることはなかなか難しいと思いますが、培養室に小さい窓がついていたりして外から少し様子を伺うことができたり、写真としてホームページで公開している病院などもあるのかなと思います。

少し様子がわかるだけでも、安心感が増すかもしれないですね。

小野寺

私たちとしては患者さんにこういう所で育っているんだよと知っていただきたい気持ちはありますが、培養室の中はクリーンルームなので、なかなか一般の方は入りずらいかなと思います。

それも安全対策の一つですものね。これを見てくださっている方も安心感が増したのではないかと思います。ありがとうございました。

【胚移植までの待機場所】受精卵の凍結保存方法

受精卵がどのように保管されている卵子と精子を受精させた受精卵は胚移植まで凍結保存されますが、どのような場所で保管され、安全管理がされているのでしょうか?気になっていたけれどなかなか聞けなかったことを胚培養士が詳しくお話します。

登壇者の紹介

胚培養士: 小野寺寛典

助産師:中 友里恵

  • 専門分野:妊活 不妊治療 妊娠期 分娩期
  • 学会・資格:助産師国家資格 看護師国家資格

この記事を書いた人

田中 由美

子授かりネットワーク 編集長