『胚培養士✖️助産師 特別対談Vol.3』【成功率を左右?】顕微授精や体外受精を行う胚培養士ってどんなお仕事?

不妊治療をするときに出てくる悩みや不安・・。調べてみてもわからないことばかり・・・。ゆっくり聞いてみたいけれど、先生やスタッフさんはいつもお忙しいそうで、「こんなこと聞いていいのかな?」「恥ずかしいな」そんな気持ちがめぐって、今日も聞けなかった経験があると思います。そんなお悩みに、子授かりネットワークを運営している「胚培養士」と「助産師」が8話に渡って対談形式でお答えます。第3回目は胚培養士さんは不妊治療中の患者さんにとっても医療スタッフにとっても欠かすことのできない重要な役割を担っています。 身近な存在なのにあまり知られていない胚培養士のお仕事内容について深掘りしていきます。

胚培養士は技術と丁寧さを大切にする重みのある仕事

胚培養士さんのお仕事についてお伺いしたいです。
不妊治療はいくつかのステップがありますが、不妊治療クリニックに通う患者さんにとって、胚培養士さんはとても心強い存在だと思います。

ですが、胚培養士さんに会ったことがないという方が多く、とても大切な役割をされているのに結構、謎に包まれている職業なのかなと思います。

妊娠された方が、お礼を言いたくてもどこに行けば良いのか、誰に言ったら良いかわからないという方もいらっしゃるんですね。ぜひ胚培養士さんのお仕事内容を教えていただけますか?

小野寺

私たちが1番最初に患者さんと関わるのはご主人様の精液検査の時になるかと思います。提出していただいた検体から精子の数や運動性を検査して医師に報告しています。

精液検査の状態は胚培養士さんが見ているのですね。

小野寺

はい。次の段階は治療がステップアップをして、人工授精を行う時ですね。
ご主人様の精子を濃縮して子宮の中に医師が注入するというものなんですけれど、その際の精子の濃縮の作業を担当したりしています。

小野寺

さらにART(アート)と呼ばれる高度な体外受精顕微授精になると採卵というものが行われますので、その後私たちが卵子と精子をお預かりをして受精をしたあと、卵が成長するので培養という形でお預かりをします。

あとはお腹の中に受精卵が戻るまでの間お預かりをしています。

すごく大切な役割ですよね。

小野寺

重みのある仕事だと思います。

お仕事中はお部屋で過ごされていることが多いのでしょうか。

小野寺

そうですね。一日中、顕微鏡を見て過ごすことが多いのかなと思いますね。

では、目も疲れたりしませんか?

小野寺

目はすごく大事な仕事道具だなといつも思いますね。結局は技術職になるので、手先の器用さだったりとか、どのくらい丁寧に仕事をしているか気持ちの部分も含めて大事な職業なのかなと感じます。

胚培養士さんは患者さんだけでなく医師やスタッフにも本当に欠かせない存在だと思います。

小野寺

患者様は医師とお話をされて治療を進めていくわけですけれど、そこに一医療技術者として携わらせていただくということは本当にありがたいことだと思いますね。

【成功率を左右?】顕微授精や体外受精を行う胚培養士ってどんなお仕事?

胚培養士さんは不妊治療中の患者さんにとっても医療スタッフにとっても欠かすことのできない重要な役割を担っています。 身近な存在なのにあまり知られていない胚培養士のお仕事内容について深掘りしていきます。

登壇者の紹介

胚培養士: 小野寺寛典

助産師:中 友里恵

  • 専門分野:妊活 不妊治療 妊娠期 分娩期
  • 学会・資格:助産師国家資格 看護師国家資格

この記事を書いた人

田中 由美

子授かりネットワーク 編集長