ブライダルチェックで見逃せない!麻疹検査のすべて

結婚や妊娠前のブライダルチェックで、麻疹検査は重要な項目の一つです。この記事では、ブライダルチェックにおける麻疹検査の重要性、検査プロセス、および免疫がない場合の対応策を詳しく解説します。安心して幸せな結婚生活を始めましょう。

ブライダルチェックと麻疹検査

結婚や妊娠を考えるカップルにとって、ブライダルチェックは新しい生活のスタートに向けた健康管理の一環として非常に重要です。このチェックでは、一般的な健康状態の評価に加え、特に妊娠と出産に関わる健康リスクを特定するための様々な検査が含まれます。

その中でも、麻疹検査は特に重視される検査です。麻疹は高い感染率と重症化のリスクを持つ疾患であり、妊娠中の女性が麻疹に感染すると、母体や胎児に重大な影響を及ぼす可能性があるため、ブライダルチェックにおける麻疹検査は、将来の家族計画において重要な役割を果たします。

ブライダルチェックでなぜ麻疹検査が必要なのか

ブライダルチェックにおける麻疹検査は、結婚と家族計画における健康リスクを把握するために重要です。麻疹は極めて感染力が高く、大人が感染すると重症化するリスクが高まります。

特に妊娠中の女性が麻疹に感染すると、流産・早産や低出生体重児のリスクが高まります。このため、結婚前に自身が麻疹に対する免疫を持っているかどうかを確認し、必要に応じて予防策を講じることがとても大切です。麻疹検査は、これらのリスクを事前に把握し、安心して妊娠・出産に臨むための基盤になります。

麻疹検査のプロセスとは

麻疹検査はブライダルチェックの重要な部分で、麻疹ウイルスに対する免疫を持っているかを確認するために行われます。この検査は一般的に次のステップで進行します。

  1. 採血:通常は一度の採血で、他のブライダルチェックの項目と一緒に検査をすることができます。
  2. 検体の分析:麻疹ウイルスに対するIgG抗体を調べます。
  3. 結果の解釈:抗体が検出された場合、麻疹に対して免疫を持っていると判断されます。これは、過去に麻疹に感染したか、ワクチン接種により免疫を獲得したことを意味します。抗体が検出されない場合は麻疹に感染するリスクがあるので対策が必要になります。

麻疹検査でわかること

IgG抗体は、体内で生成される抗体の一種で、免疫を持っていることを示しています。ブライダルチェックでの麻疹検査では、IgG抗体の有無を調べることで、免疫状態を確認できます。IgG抗体が存在すれば、麻疹に対して免疫があると判断され、追加の予防措置は通常、必要ありません。しかし、IgG抗体が検出されない場合はワクチン接種などの予防策を検討する必要があります。

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麻疹の基本情報

麻疹は、高い感染力と重症化の可能性を持つウイルス性の疾患です。このセクションでは、麻疹ウイルスの特性、感染の仕組み、予防の重要性、および麻疹感染がもたらす健康上のリスクについて、詳しく解説します。

麻疹とは何か

麻疹は、麻疹ウイルスによって引き起こされる感染症です。特徴的な症状には、高熱、咳、鼻水、などの風邪に似た症状や、全身に広がる特徴的な発疹があります。感染力がとても強いのが特徴で、免疫のない方は感染する可能性が高いです。

麻疹の感染経路と予防

麻疹ウイルスは、咳やくしゃみによる飛沫感染、空気感染、接触接触によって広がります。ウイルスは空気中で長時間生存することができ、手洗いやマスクだけでは予防ができず、感染力は非常に高いです。予防の最も効果的な方法は麻疹ワクチンの接種であり、これにより個人を守るとともに集団免疫を形成し、感染拡大を防ぐことができます。

麻疹の症状と合併症

麻疹の初期症状には、感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れます。
2~3日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出現します。 
肺炎、中耳炎を合併しやすく、患者1,000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われています。特に子供や免疫力が低下している大人において重大な健康リスクとなります。予防接種によりこれらのリスクを大幅に減少させることが可能です。

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参考元)厚生労働省 麻疹について 

抗体がない場合の対応策

ブライダルチェックで麻疹抗体が検出されなかった場合、特に妊娠を希望する女性にとって、迅速かつ適切な対処が求められます。抗体がないことは、麻疹に対する自然免疫が不足していることを意味し、感染した場合のリスクが高まります。

このセクションでは、抗体がない場合の具体的な対応策をお伝えします。ワクチン接種の重要性、適切な接種時期、接種後の注意点、さらには妊娠計画における麻疹予防のアプローチについて詳細に解説し、安全な妊娠と健康維持に向けた指針を述べていきます。

麻疹抗体が陰性だったらどうする?

麻疹抗体が陰性と判明した場合、感染リスクへの対応としてワクチン接種が推奨されます。特に、妊娠を計画している女性は、麻疹ウイルスによる合併症から自身と胎児を守るためにこの対策が重要です。

また、男性側の抗体が陰性だった際にも、女性側への感染を防ぐためにワクチンを打つことが推奨されます。

麻疹ワクチンの接種時期と効果

麻疹予防において重要な役割を果たすのが、麻疹と風疹を同時に予防するMRワクチン(麻疹・風疹複合ワクチン)です。このワクチンは、特に妊娠を計画している女性や男性にとっては妊娠前に打っておきたいワクチンです。

MRワクチンは生ワクチンであり、一度の接種で麻疹と風疹の両方に対する長期的な免疫を得ることができます。その効果は約95%以上と高く、接種後約2ヶ月間は避妊が勧められます。これはワクチン成分が妊娠初期の胎児に影響を与える可能性があるためです。ただし男性のみワクチン接種を行った場合は避妊は必要ありません。

接種後の生活上の注意

ワクチン接種後は、約2ヶ月の避妊が推奨される他、副作用に注意する必要があります。軽度の副作用として発熱や注射部位の痛みが見られることがあり、これらは通常数日以内に自然に軽快します。接種後は自身の体調を注意深く観察し、異変があれば医師に相談することが重要です。

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参考元)国立感染症研究所 麻しん風しん混合ワクチンの接種考え方

https://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/disease/measles/MRvaccine_20180417.pdf

妊娠と麻疹のリスク

妊娠中の麻疹感染は、母体と胎児に深刻なリスクをもたらす可能性があります。このセクションでは、妊娠中の麻疹感染が及ぼす影響と、妊娠を計画する際の麻疹予防策について詳細に掘り下げます。

妊娠中の麻疹感染が及ぼす影響

妊娠中の麻疹感染は、母体にとって重大な健康リスクをもたらします。典型的な麻疹の症状には、高熱、発疹、咳、鼻水、結膜炎などがありますが、妊娠中はこれらの症状が重症化しやすく、合併症を引き起こすリスクが高まります。

特に肺炎は妊娠中の麻疹感染における主要な合併症であり、呼吸困難や持続的な咳、胸の痛みなどの症状が現れることがあります。このような重症化は、母体の健康に深刻な影響を及ぼすだけでなく、流産や早産など胎児へのリスクも高まります。

妊娠計画と麻疹予防

妊娠計画中の麻疹予防は、母体と胎児の健康を守るために重要です。妊娠前に麻疹抗体の有無を確認し、必要に応じてワクチン接種を行うことが推奨されます。これにより、妊娠中の感染リスクを効果的に減少させます。

妊娠を望むカップルへのアドバイス

妊娠を望むカップルは、麻疹の抗体の有無を確認し、必要な場合はワクチン接種を行いましょう。男女どちらも免疫を持つことで安心した妊活や妊娠生活を送ることができます。また、麻疹だけでなく、妊娠前の健康チェックを含む全般的な健康管理を行い、感染予防策を実践することが重要です。

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ブライダルチェックの予約と準備

結婚や妊娠に向けて安心した生活を送るためにも、ブライダルチェックの予約と準備は不可欠です。このセクションでは、麻疹検査を含むブライダルチェックの予約方法、当日の流れ、準備するべき事項について詳しく解説します。

麻疹検査の予約方法

麻疹検査の予約は、産婦人科の医療機関やクリニックに電話やネットから行えます。麻疹検査はブライダルチェック項目のセットの中に含まれていたり、オプションで行ったりと価格も方法も施設によって異なりますので、事前にいくつかの施設と比較検討してみると良いかもしれません。

ブライダルチェック当日の流れ

ブライダルチェック当日は、問診、血液検査、おりもの検査、超音波検査などが基本的な流れです。麻疹検査は血液検査によって行われ、必要に応じて追加の検査が行われることもあります。

費用と保険の適用について

ブライダルチェックの費用は、施設や受ける検査内容によって異なりますが、通常は健康保険の適用外となることが多いです。ただし、自治体によっては女性の健康支援の一環として費用補助を提供している場合があります。このような支援を利用することで、経済的な負担を軽減することが可能です。予約前には、利用できる自治体のサポートや補助の有無を確認しておくことが大切です。

また、ワクチン接種についても、条件はありますが自治体から補助が出ることもあるので、事前に問い合わせてみましょう。

ブライダルチェックで見逃せない!麻疹検査のすべて

まとめ:麻疹検査で安全な結婚生活を

ブライダルチェックで麻疹検査の重要性を理解することは、健康で幸せな結婚生活のための鍵です。このまとめでは、麻疹検査がなぜ結婚前の健康管理に不可欠なのか、そして抗体がない場合にどのような対策が必要かを振り返ります。妊娠と麻疹のリスク、そして結婚に向けての健康管理のステップについても再度確認し、安全かつ健康に富んだ結婚生活を始めるための準備を整えます。

麻疹検査の重要性の再確認

麻疹検査は、結婚と将来の家族計画において、重大な合併症を防ぐために重要です。特に、妊娠を望むカップルにとって、麻疹に対する免疫の有無を知ることは必須であり、これにより感染リスクを予防し、安全な妊娠と出産に繋がります。

結婚に向けた健康管理のステップ

結婚や妊娠を控えるカップルは、麻疹検査を含むブライダルチェックを通じて、予防接種の必要性を確認し、必要時はワクチン接種を行いましょう。また、健康な生活習慣を維持し、妊娠に最適な体調を整えることも重要です。

麻疹予防のための最終チェックリスト

  1. 麻疹抗体検査の実施:自身の麻疹に対する免疫状態を確認します。
  2. ワクチン接種や罹患の確認:過去に受けた麻疹ワクチンの接種の有無や罹患歴をチェックします。
  3. 追加ワクチンの検討:必要に応じて追加の麻疹ワクチン接種を検討します。
  4. 接種後の避妊期間を守る:ワクチン接種後の推奨される避妊期間を守ります。
  5. 感染予防対策の実践:日常生活において手洗いや咳エチケットなどの基本的な感染予防策を講じます。
ブライダルチェックで見逃せない!麻疹検査のすべて

この記事を書いた人

中 友里恵