『胚培養士✖️助産師 特別対談Vol.4』【不妊治療】卵子の質や数は妊娠率に関係するのか?〜未熟卵、卵巣刺激〜

不妊治療をするときに出てくる悩みや不安・・。調べてみてもわからないことばかり・・・。ゆっくり聞いてみたいけれど、先生やスタッフさんはいつもお忙しいそうで、「こんなこと聞いていいのかな?」「恥ずかしいな」そんな気持ちがめぐって、今日も聞けなかった経験があると思います。今回はそんなお悩みに、子授かりネットワークを運営している「胚培養士」と「助産師」が8話に渡って対談形式でお答えます。第4回目は卵子の質は見た目でわかる!胚培養士が見ているポイントから、一回の採卵の数は多い方がいいの?卵巣刺激には薬を多く使ったほうが良い?などの質問に答えていただきました。

卵子の質をみるポイントとは。採卵の数は多い方が妊娠率が上がる?

不妊治療をしていく上で、卵子の質が大事とよく言われますが、普段お仕事されている小野寺さんからみて、卵子の質というのはなんなのでしょうか。見た目でわかるものなのでしょうか。

小野寺

卵子の質を定義するのは難しいことだと思いますが、例えば私たち培養士が関わる中でわかることは一つあるかなと思います。

体外受精顕微授精のような高度な治療をされるときに私たちは顕微授精と呼ばれる方法で卵子を受精させることがあるんですが、その際に卵子を受精をさせる直前に卵が未熟な状態かどうかを見ることがあります。それは見た目ですぐわかります。

どのような特徴があるのですか?

小野寺

未熟な卵というのはまだ卵子が精子を受け入れる準備が整っていないということなんですね。

その場合は顕微授精はできないんですが、例えば卵がいくつか採れたときに、じゃあ採れた卵のうち何個か未熟な卵が含まれているとか未熟な卵がちょっと多いかなというのはわかったりしますね。

小野寺

その場合は顕微授精はできないんですが、例えば卵がいくつか採れたときに、じゃあ採れた卵

ただ未熟な卵が1個でもあると卵子の質が悪いのかというと決してそうではなく、例えば採れた卵のうち2割ぐらいは未熟な卵が含まれるとも言われていたりもします。

なので一つの指標として卵子の質という風に未熟な卵を数えることができるかなと思います。

そうすると1回の採卵では多くの卵がとれた方が良いのでしょうか?

小野寺

沢山の卵があればそれだけ受精して、順調に育つ卵を多く得られる可能性はあるのでそのように考えることも出来るので、多いほうが良いと考えることも出来ると思いますが、

沢山の卵を採るためには、お薬も多く使う必要がありますし、体の負担になる場合もあるのでリスクがないわけではないと思います。

小野寺

あとは必ずしも多くの薬を使って得られて卵がよく育つとは言い切れないかもしれない。

もしかしたらお薬を少なく使って得られた卵の方が成長が良いという場合もあるかもしれません。

クリニックでも卵巣刺激の方法は違いますものね。自然周期を大事にするところもあればお薬をしっかり使いましょうというところもありますよね。

そういうところは病院選びにも関わってきますよね。

小野寺

医師の考え方によって薬の種類や使い方は変わると思うので、自分にどんな方法が合っているかというのは、もしかしたらやりながらじゃないとわからない部分もあるかもしれません。

お薬を多く使う方が合う方もいますし、お薬を少なくして刺激が少ない方が良いということもあると思います。

お薬使うと副作用もあるので人によっては生活に影響が出る方もいますし、自分にあった方法を見つけるって大事ですよね。

小野寺

私たちはデータ上ではという話にはなってしまいますが、受精率と成長率から考えて、どのくらいの卵が必要だねってざっくりとわかることはできるので、そうするとなるべく多くの卵をって感じてしまうのですが、体に大きく関わる治療なので、医師とよく相談していただいて進めていくのが大事なことなのかなと思います。

【不妊治療】卵子の質や数は妊娠率に関係するのか?〜未熟卵、卵巣刺激〜

卵子の質は見た目でわかる!?胚培養士が見ているポイントから、一回の採卵の数は多い方がいいの?卵巣刺激には薬を多く使ったほうが良い?などの質問に答えていただきました。

登壇者の紹介

胚培養士: 小野寺寛典

助産師:中 友里恵

  • 専門分野:妊活 不妊治療 妊娠期 分娩期
  • 学会・資格:助産師国家資格 看護師国家資格

この記事を書いた人

田村 由美

子授かりネットワーク 編集長