赤ちゃんの成長を見守る上で、目の健康状態をチェックすることはとても大切です。でも、赤ちゃんの目の異常や病気はどうやったらわかるの?どんな検査があるの?どんなタイミングで検査をすればいいの?そもそも、自宅でも簡単に目のチェックができるのかな?と色々思われることでしょう。ここでは赤ちゃんの目の検査がなぜ大切なのか、医師が行う検査から、おうちでできる簡単なチェック方法まで解説します。正しい知識を知り、赤ちゃんの目の健康を守りましょう。
目の検査がなぜ大切なの?
赤ちゃんの目の健康を守ることは、保護者にとってとても大切なことです。特に新生児や乳児は目のトラブルにか赤ちゃんの目の検査は、視機能を確認するためにとても大切です。赤ちゃんの目は、成長途上にあるため、何らかの問題がある場合に早めに発見して治療を始めることが必要です。また、視力はその後の成長に大きな影響を与えるため、専門医の元で適切な治療を受けることが重要です。この記事では、赤ちゃんの目の問題を早く見つける方法についてご紹介します。
赤ちゃんの視力の成長をチェック
生まれたばかりだと、明るさがわかる程度の視力です。その後、家族やおもちゃを見ることなどから、生後数か月〜数年かけて徐々に視機能は発達していきます。この時に、何らかの障害で見ることを阻害されると、視力の発達にその後影響が出る可能性があります。このため、視力機能の成長の状態を定期的に確認することは、とても大切です。
赤ちゃんの視力の成長をチェックする方法は、目の動きを観察する方法や、光を使った簡単なテストなどがあります。例えば、赤ちゃんが動いているものを目で追っているか、特定の物に注目することができるかなどをチェックします。また、乳幼児期には弱視や斜視といった目の問題が発生することがあり、注意が必要です。赤ちゃんの視力の発達状況をチェックする方法については、医師や専門家に相談しましょう。視力の発達に関して不安を感じたら、早めに眼科医に相談し、定期的な目の健診を受けることをおすすめします。
目の問題を早めに見つける
赤ちゃんの目に問題があっても、症状がはっきりしていないので、気付かないことが多いため、目の検査で診断することが大切です。例えば、斜視や弱視など、症状に周囲の方が気付くまで時間がかかります。しかし、早期発見・治療を行うことで、症状の進行を抑えたり、回復を促すことができます。目の問題を早めに見つけるためには、赤ちゃんの目の状態に関して観察を続けることが重要です。赤ちゃんの目の健康に不安を感じた場合には、すぐに眼科医師に相談しましょう。
新生児と乳児の目の検査の流れ
新生児や乳児の目の検査は、生後間もない時期から始めます。赤ちゃんの成長に合わせて検査を定期的にしていると、異常を早期に発見でき、治療を始めることができます。新生児から乳児期までの目の検査の流れについて詳しく説明していきます。
新生児のスクリーニング検査
新生児のスクリーニング検査は、通常、出生後数日から2週間以内に、産科や小児科で行われます。検査の結果異常があった場合には、眼科医の診察を受けることが必要です。例えば、生まれたばかりでは明るさがわかる程度なので、光を当てて瞳孔の大きさや反応を測定し、白内障や網膜症などの疾患を発見する検査をするのが一般的です。また、生まれてすぐの赤ちゃんを見て気づく問題として
- ・まぶたがあかないー先天性眼瞼下垂・小眼球
- ・眼の揺れがあるー眼や脳の異常
- ・眼の色に異常があるー黒目が白いなど
などがあります。産まれたクリニックや病院などで先生がわかる場合が多いのですが、自宅へ帰ってから家族が気付くこともあるので、すぐに眼科医に相談してください。
引用)日本小児眼科学会 子どもの眼の発達と年齢ごとの異常所見について
乳児の定期的な健康診断
乳児の目の健康診断は、新生児のスクリーニング検査に加え、生後1カ月、3カ月、6カ月、9カ月、12カ月に行われます。この定期健診では、赤ちゃんの目の発育や機能を評価するための検査を行います。例えば、目の動き、瞳孔の大きさ、光に反応する能力、網膜の異常などを確認することがあります。また、赤ちゃんの目に異常が見つかった場合、専門の眼科医に紹介されることもあります。眼科医は、より詳細な検査を行い、適切な治療を行います。
眼科医が行う詳しい検査
眼科医が行う検査として以下のような検査を実施することがあります。
検査名 | 内容 |
瞳孔拡張検査 | 点眼薬で瞳孔を拡張させ、眼底を観察して異常がないか確認 |
視力検査 | 手信号や視線の動き、または視力検査グッズを使って実施 |
屈折検査 | 眼の屈折異常を測定。通常3歳以上の子どもに行われるが、眼科医の判断で乳幼児期に行われることもある |
眼位検査 | 一方のめが上や下にずれていないか眼の位置を確認。先天性斜視の早期発見。 |
眼球運動検査 | 赤ちゃんの顔の動きを軽く固定し、目の前でおもちゃなどを動かし視線を誘導して追跡反応を確認。 |
眼圧検査 | 眼の表面に空気圧をかけます。緑内障などの病気があるかどうかを確認 |
これらの検査を通じて、赤ちゃんの視力や目の健康状態をより正確に把握することができます。
おうちでできるかんたんな目のチェック方法
赤ちゃんの目の健康を守るために、定期的な目のチェックが必要です。そこで、自宅で簡単にできる目のチェック方法があります。赤ちゃんの目を追う動きや、反応を簡単な方法でみる方法です。今回は、自宅でできるかんたんな目のチェック方法について、具体的に解説します。
赤ちゃんの目の動きを見てみよう
赤ちゃんの目の動きを、定期的によく見てみましょう。
- ・目の動きがあるか:赤ちゃんの目は、左右や上下によく動きます。目が動かない場合は、眼筋麻痺などの可能性があります。
- ・目でものを追うことができるか:赤ちゃんは目でものの動きを追うことができるはずですが、これができない場合は、視力に問題がある可能性があります。
- ・目が合わせられるか:親が顔を向けた方向に、目を合わせられるかどうかをチェックします。片方の目だけが向いていたり、目がずれている場合は、斜視や屈折異常などの可能性があります。
これらのポイントをふまえて、目の動きをよく見てみましょう。
ものを見て反応するか確認
赤ちゃんの目の機能を評価するために行われる簡単なチェックの一つです。具体的なやり方を説明します。
- 赤ちゃんを可能であれば座らせます。
- 赤ちゃんが興味を持つおもちゃや色鮮やかな物を用意します。
- 赤ちゃんがじっと物やおもちゃを見ているとき、その物を少し離して赤ちゃんに見せます。
- 赤ちゃんがその物を見て反応するかどうかを観察します。例えば、手を伸ばしたり、目を動かしたり、声を出したりすることがあります。
このチェックでは、赤ちゃんがものを見て注意を向けることができるかどうかを確認します。もし赤ちゃんの反応が乏しい場合は、視力に問題がある可能性があるため、早めに専門家の診断を受けることが大切です。
光を使った簡単なテスト
赤ちゃんが光を見て目を動かす反射をチェックする方法です。あまり強い光を当てないように気をつけましょう。
- 暗い部屋で行う
光が明るすぎると、反応を見れません。暗い部屋で行うことで、赤ちゃんの目が開き、反応を見ることができます。 - 懐中電灯を使う
懐中電灯で、距離は30cmほどから赤ちゃんの顔に光を当てます。光を当てた時に、赤ちゃんの目が反応して動くかを確認します。 - 反射を見る
赤ちゃんの目は、瞳孔が狭くなり、まばたきをする反射があらわれます。赤ちゃんの反応を確認するために、明るい場所に出してから、再度光を当てるとよいでしょう。
このように、自宅でも簡単に光を使ったテストができます。おかしいと思う点があれば早めに眼科医の診察を受けてください。
まとめ
赤ちゃんの目の検査は、視力の発達や目の病気を早期に発見するためにとても大切です。産まれてすぐにもスクリーニング検査が行われ、乳幼児期には定期的な健康診断をするなど目を守るために検査は大切です。また、自宅で一番長い時間を赤ちゃんと過ごす、ご家族だからこそ気付くことも大切なポイントです。簡単にできる目のチェック方法もご紹介しましたので、ぜひ赤ちゃんの純粋な可愛い目を観察してみてください。おかしいなと思ったら早めに眼科医にご相談することをおすすめします。
定期的な健康診断や自宅でのチェックを行い、医師と協力して早期に異常を発見し、適切な治療を行うことで、進行を抑えたり、回復がのぞめます。大切な赤ちゃんの目の健康をしっかり守っていきましょう。