株式会社ベルタ(本社:東京都港区)は東京都「都立高校生の社会的・職業自立支援教育プログラム事業」に参画し、2024年度に全4校の都立高校にて「生殖や出生の多様性」に関する出張授業を実施いたします。本出張授業は、NPO法人Fineと共同で実施し、早期から自身の身体に向き合い正しい知識をもとに適切なケアを行うプレコンセプションケアの普及を目指します。
多様性の時代に「生殖や出生」においても広がる選択
多様性の時代といわれる昨今。性別や人種、体格など様々な領域における多様性が認識されてきています。
こうした中、女性のライフステージ課題に向き合うBELTAと不妊当事者に寄り添うNPO法人Fineは共同で都立高校生向けに「生殖や出生」の多様性を伝える出張授業を行いました。
現代では、医療の発展により生殖や出生のあり方が多様化しています。生殖においては、自然妊娠だけでなく、人工授精や体外受精、顕微授精などの多様な手法や選択肢が広がってきています。また、妊娠や出産においても、その経過は様々で一つの形とは限りません。
出張授業では、今の自分にたどり着くまでの生殖や出生においても「多様化」が進んでいるということを伝える中で、改めて他者との違いを認識してもらい、命の大切さを学んでもらうようなコンテンツを提供しています。
新宿山吹高校にて初回出張授業の実施
6月15日(土)に東京都立新宿山吹高校にて初回の出張授業を実施いたしました。
授業には52名の生徒が参加しました。授業の中では、人一人が生まれるまでにどのような経過をたどってくるのか、その過程においてどのような多様性があるのかを、実際のデータも交えながら伝えています。
授業終わりには、高校生に「妊活・妊娠・出産・子育て」の4つのテーマにおける多様性について、不妊治療や出産経験のある人ともコミュニケーションを取りながら調べる時間を設けました。
参加生徒からは
「自分が知らないたくさんのことに触れられて、命の大切さをより知ることができました。」
「早い段階から色々な知識を得ることは人生設計においても大切だなと感じました。」
「途方もない確率の中産まれた命がここまで大きく育ち、この人数が今集まれていることに感動しました。」
「多様性にも色々あって他の人を認める、理解することの大切さを知った。」
「自分の性格をあまり好きになれなかったけど、様々な奇跡と両親の愛情のおかげで今の自分があることを知って、自分を大切に生きようと思った。」
「様々な人がいて様々な考えがあってそれを尊重することが多様性のある社会において大事なことだと思いました。自分とは異なる人の悩みに安易に同情することはせず、自分とは違うことを認識した上で相手を尊重したいと思いました。」
と様々な感想が寄せられました。
本出張授業の受講を希望された都立高校は2024年度の実施で計4校で、次回は7月17日(水)に東京都立八王子北高等学校にて実施予定です。
■東京都「都立高校生の社会的・職業的自立支援教育プログラム事業」とは
東京都教育委員会が設立した地域教育推進ネットワーク東京都協議会が行う事業。企業や大学、NPO等と連携し、高校生が社会や職業について実感をもって理解し、将来生活するために必要な能力を身につけることを目指す教育プログラムです。企業やNPOが提供する教育プログラムの中から、都立高校が受講の有無を決定します。
変わってきている中学・高校での性教育
日本は諸外国と比べ性教育が遅れており「性教育後進国」といわれることがあります。
実際に、国際的な性教育の指針とされるガイダンスと比較すると、日本では性教育の開始時期が遅く内容が薄くなっています。
また、2022年には前年と比べ20歳未満の人工妊娠中絶数が増えており、背景には性教育の遅れがあるともいわれています。※1
こうした状況を受け、企業やNPO法人など外部団体と連携して性教育を推進する学校が増えています。
日本産婦人科学会によると、日本産婦人科学会が都立高校にて行っている性教育の申込み数は年々増えてきているといいます。
また、群馬県では県産婦人科医会と行政が連携して県内の全中高校にて性教育を行っており、群馬県における10代の妊娠中絶率や性感染症罹患率は全国的に低い状態が続いているようです。※2
プレコンセプションケアの普及に向けて
性教育の実施は、命の大切さを知れるだけでなくプレコンセプションケアにも繋がります。プレコンセプションケアとは、将来の妊娠や出産に備えて自身の身体に向き合い、正しい知識をもとに適切なケアを行うことを指します。妊娠を望むか望まないかその選択肢は多様化していますが、人生100年時代において健康に生きるため、またいつか子どもが欲しいと思った時のために早期からの取り組みが推奨されています。
ベルタが妊娠・出産経験のある人を対象に実施したアンケートでは「妊活を始めてから初めて知ったことがある人が98.7%いる」ということがわかりました。
妊娠や避妊、不妊など生殖に関することを当事者になって初めて知るのではなく、事前に知っておくことは、今の自分だけでなく将来の自分を大切にすることにも繋がります。
ベルタでは教育の場で「将来のライフプランを考える機会」の提供や「妊娠や出産に対する正しい理解」の普及を行っていくことの重要性を認識し、プレコンセプションケア教育の普及に向けた取り組みを行っています。
ベルタのプレコンセプションケア教育
・保育園にて性教育を実施
NPO法人きびると連携して4~5歳児を対象に、早期から自身と他者の違いを認識した上で自分も周囲の人も大切にできるようになるための性教育を実施しています。
・修学旅行で企業訪問に訪れる中学生へ将来を考える機会の提供
企業訪問に訪れる中学生に向けて、BELTA独自で制作した「ライフステージすごろく」を体験いただいており、遊びながら将来のライフプランや様々な選択肢について知り考えることのできる機会を提供し
ています。
ベルタのプレコンセプションケア普及に向けた取り組み
【会社概要】
会社名称 株式会社ベルタ
所在地 東京都港区北青山2-12-28青山ビル5階
代表者 代表取締役社長 武川克己
事業内容 ライフステージマーケティング事業
【団体概要】
会社名称 特定非営利活動法人Fine(ファイン)
所在地 東京都江東区木場6-11-5サニーコーポ・K 201号室
代表者 理事長 野曽原誉枝
活動内容 保健、医療または福祉の増進や子供の健全育成を図る活動等
※1:一般社団法人 日本家族計画協会HPより、2022年人口動態統計、2022年度衛生行政報告例より
※2:日本産婦人科学会HPより