I.Yさん(36歳)& T.Yさん(33歳)NO.33

卒業生について

女性プロフィール
仮名:I.Y
性別:女性
年齢:36歳
職業:薬剤師
趣味:読書
妊活・不妊治療
1人目の治療
治療開始年齢:30歳
治療期間:9ヶ月
体外受精:2回
     

男性プロフィール
仮名:T.Y
性別:男性
年齢:33歳
職業:社会福祉士
趣味:ゲーム
妊活費用
体外受精:100万円


    
クリニック名:北海道札幌市(2つの病院)
※以下のインタビューは、あくまでの卒業生の感想であり、登場する個人・法人に関する感想として、1つの参考情報として頂けましたら幸いです。
妊活・不妊治療中の方へ 応援メッセージ

T.Yさん(夫):不妊治療はふたりで行うものです。当初は私のサポートが足りず喧嘩になることもありました。治療が長引くと心も体も疲弊していきます。よく会話し、お互いのコンディションを把握し、すれ違いを少なくしましょう。そうすればきっと乗り越えられます。

I.Yさん(妻):私の反省点は何でもひとりで抱え込もうとしたこと。辛かったらパートナーを頼りましょう。ふたりの子供がほしいという気持ちを忘れないでください。

そして、息抜きはしっかりしましょう!私がそうなのですが、どうしても手が空いたらスマホで不妊治療に関することを調べてしまい、視野が狭くなっていました。

もしパートナーが思い詰めていたら、一緒に出かけたり、好きなものを食べたりして、治療から離れる時間もつくってください。お互いに支え合い、絆を深めることが、家族が増えた時にきっとプラスになるはずです。

インタビュー概要

2022年7月20日にI.Yさん&T.Yさんご夫妻にお話いただきました。ふたりで協力して取り組むこと、メンタルケアの大切さ、病院を変える選択、仕事との両立の仕方など参考になるお話をたくさんいただきました。I.Yさん&T.Yさん、貴重なお話をありがとうございました。
子授かりネットワーク Koshi

質問:不妊治療を始められたきっかけを教えてください。

Koshi

治療をしようと思われたきっかけを教えてください。

I.Y

元々ふたりとも子供を強く望んでいましたが、妊活開始後1年経っても子供ができませんでした。
「1年で自然妊娠しなければ不妊」という定義を聞いたことがあったし、妻の年齢が30代になったという焦りもあって、婦人科の検査を受けました。

妻は子宮や卵管を検査し特に問題がありませんでしたが、夫が「乏精子症」と診断されました。通常であれば検体に数千万匹いるはずの精子が検出不能。顕微鏡で見てやっと数匹、元気のない精子が見つかるという状態です。

当時二十代の夫がまさか不妊とは思ってもみませんでした。医師から「自然妊娠はまず不可能。体外受精しかない」と告げられて何かの冗談かと思いました。

二人で話し合い、どうしても子供がほしいので頑張ろうと気持ちを共有し、体外受精に臨むことになりました。

質問:治療の流れを教えてください。

Koshi

治療の流れについて教えて下さい。

I.Y

夫が乏精子症でしたが、男性不妊の治療は難しいと言われました。
そのため、僅かな精子を取り出し、体外受精するという方法に臨むことになりました。

通院するのは専ら妻でした。ホルモン剤をいくつも使って卵子をたくさん育て、それを取り出して体外受精しました。

成熟した卵子は9つも取れて希望が持てましたが、受精卵は1つしかできませんでした。
そちらを子宮に戻すため、妻がホルモン剤を使用して子宮内膜を育て、受精卵を戻しました。
残念ながら1回目の体外受精で妊娠はしませんでした。

I.Y

ここまで通っていた病院の医師やスタッフの言動に何度も傷ついていたため、病院を変えることにしました。
最初の病院はとにかく治療費が安いということで通い始めましたが、次の病院はかなり高いけど有名な先生がいるということで選びました。(当時は全て保険適用外でした…)

2つ目の病院でももちろん体外受精を行うことになりました。
ここでは5つの成熟した卵子がとれ、2つの受精卵ができ、2つとも元気な胚に成長しました。
そのうちの一つを子宮に戻したところ、無事に妊娠しました。最初の受診から妊娠まで9ヶ月かかりました。

質問:クリニックを選ばれたポイントを3つ教えてください。

Koshi

クリニックを選ばれたポイント3つとその理由を教えてください。

I.Y

最初の病院は体外受精するとは思っていなかったので、安さと通いやすさで選びました。

次の病院は費用や設備、口コミを調べました。
最終的に

①不妊治療で有名な医師が院長である
②口コミでスタッフの評判が良い
③メンタルケアを受けられる 
ことが良いと思い、選びました。

費用は高かったですが、質の良い治療を受けられる病院を選んで良かったと思っています。

質問:不妊治療以外で取り組んだことはなんですか?

Koshi

不妊治療以外で取り組んだことはありますか?

I.Y

夫が精子の質が良くなるというサプリを1ヶ月服用しました。
当時は藁にもすがる思いでしたが、どう考えても怪しかったです……。
もちろん効果はありませんでした。

質問:大変だったことはどんなことでしたか?(検査・治療・お金・メンタル・仕事・・・)

Koshi

検査・治療・お金・メンタル・仕事などで大変だったことはどんなことでしたか?

I.Y

一番辛かったのは仕事との両立です。
卵子を育てたり、子宮内膜を育てたりと基本的には妻が頻繁に通院することになりました。
妻はフルタイムでの仕事の後、走って電車に乗り、診療時間終了ギリギリに病院に駆け込むのが週に半分以上のこともありました。

体外受精だったので、検査値を確認して「じゃあ次は○日後に来てね」と言われることも多かったため、急に休みをとる必要もありました。
職場の上長には言ってありましたが、同僚には恥ずかしくて話せていなかったため、きっと内心なぜ頻繁に休むのかと思っていたと思います。

I.Y

そのいたたまれなさも精神にダメージを蓄積していきました。ホルモン剤を投与しているときはずっと体調が悪く、仕事のパフォーマンスも落ちていました。
通院の日は、夫は妻より早く帰宅していましたが、大抵スーツのままゲームをして待っていました。
ある日妻の堪忍袋の尾が切れ、大きな喧嘩になりました。よく話し合い、通院で妻の帰宅が遅くなる日は夫が簡単な食事を用意していてくれるようになりました。

不妊治療は心身ともにかなり疲弊します。私たちはたった9ヶ月でしたが、出口のない暗いトンネルを歩いているかのようでした。夫婦が支え合い精神的な負担を和らげながらやっていかないと、とても続けられません。
振り返ってみて、「ふたりで協力して取り組む姿勢」こそが乗り越えるために不可欠だと思いました。

質問:お金について教えてください。

Koshi

お金について教えてください。

I.Y

体外受精100万円 サプリ1万円 です。

助成金45万円支給されました。

質問:治療を続ける秘訣を教えてください。

Koshi

治療を続ける秘訣を教えてください。

I.Y

いつ終わるか分からない不妊治療。
最初はこの治療は上手くいくだろうかとか、薬の副作用がどうとか、この病院がどうとか、毎日毎日そんな話をしていましたが、一度体外受精が失敗したのをきっかけに、これではとても精神がもたないと気付き、意識して気分転換するよう心がけるようになりました。

休みの日はよくふたりでドライブや旅行をしてリフレッシュしました。
逆に、お互いのひとりの時間も大切にしました。夫はゲーム、妻は読書と、独身時代からの趣味に没頭できる時間があったのも良かったと思います。

ふたりの会話も治療のことばかりにならないよう気をつけました。不妊治療はなによりも精神的な負担が大きいので、意識してメンタルケアをしていかないと続けられないと思います。

質問:ご夫婦で話し合ったことはどんなことでしたか?

Koshi

ご夫婦で話し合ったことはどんなことでしたか?

I.Y

妻が主に通院することになるので、その時の家事は夫がサポートするようにしました。

質問:夫婦のコミュニケーションで意識していたことはなんですか?

Koshi

質問:夫婦のコミュニケーションで意識していたことはなんですか?

I.Y

夫への八つ当たりにつながるため、体調が悪い時に無理しすぎない。

T.Y

不妊治療のことばかり話さない。思い詰めがちな妻に気分転換を促す。

質問:お互いのサポートで嬉しかったことはなんですか?

Koshi

奥さま、ご主人様それぞれのサポートで嬉しかったことはなんですか?

I.Y

大事な時(体外受精の結果を聞きに行く時など)に仕事を休んで一緒に来てくれるのが嬉しかったです。
治療を二人のこととして考えてくれていて、子供を楽しみにしている気持ちが一緒だと実感できたからです。

また、治療中に卵巣が腫れて痛み、夜中に救急車で運ばれたことがありましたが、夫が翌朝まで徹夜で付き添ってくれていました。ここぞという時精神的な支えになってくれるのがありがたかったです。

T.Y

私の不妊により妻には精神的にも肉体的にも大きな負担をかけてしまっていましたが、それを責めることなく「子供できるといいね」と前向きに治療に取り組んでくれていたのがありがたかったです。

病院や治療についても妻が調べ上げ、共有してくれました。私はそういう作業が不得手なので助かりました。

また、治療が少しでもうまく行くよう、バランスの良い食事をつくってくれていました。努力家の妻のおかげで子供を授かったと思っています。

質問:ご夫婦で取り組んだことを教えてくだい。

Koshi

ご夫婦で取り組まれたことはなんですか?

I.Y

少しでも妊娠しやすくなるようにバランスの良い食事を摂るよう心がけました。

体づくりが基本ではないかと妻が提案しました。夫は元々ジャンクフードが好きで野菜嫌いでしたが、協力しました。
これのおかげで妊娠できたかは不明ですが、出産にも体づくりが重要となるため、食生活の見直しはやっておいてよかったと思います。

質問:治療中のストレス解消方法について教えてください。

Koshi

どんなことでストレスを解消していましたか?

I.Y

不妊治療以外のことを考える時間をしっかりとること。
私たちにとってはふたりで外出することと、趣味の時間を大事にすることでした。

質問:お仕事との両立について教えてください。

Koshi

仕事との両立はいかがでしたか?

I.Y

妻の通院と仕事との両立が大変でした。上長に相談の上、通院の日は早退したり休んだりしていました。

しかし、不妊治療していることが恥ずかしく同僚には話していなかったため、休みを取るときはいたたまれない気持ちでいっぱいでした。

今思えば皆にしっかり話せば良かったです。今の時代、不妊治療は珍しくありません。

Koshi

勤務先の支援体制はいかがでしたでしょうか?

I.Y

休みを取らせてもらえないということはありませんでした。急な受診のため3日後にお休みということもありましたが、問題なく休めました。

質問:不妊の治療をされている方や検討されている方へのアドバイスをお願いします。

Koshi

不妊の治療をされている方や検討されている方へのアドバイスをお願いします。

I.Y

私の反省点は何でもひとりで抱え込もうとしたこと。辛かったらパートナーを頼りましょう。ふたりの子供がほしいという気持ちを忘れないでください。そして、息抜きはしっかりしましょう!私がそうなのですが、どうしても手が空いたらスマホで不妊治療に関することを調べてしまい、視野が狭くなっていました。もしパートナーが思い詰めていたら、一緒に出かけたり、好きなものを食べたりして、治療から離れる時間もつくってください。お互いに支え合い、絆を深めることが、家族が増えた時にきっとプラスになるはずです。

T.Y

不妊治療はふたりで行うものです。当初は私のサポートが足りず喧嘩になることもありました。治療が長引くと心も体も疲弊していきます。よく会話し、お互いのコンディションを把握し、すれ違いを少なくしましょう。そうすればきっと乗り越えられます。